序章
夢主の名前
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三が日が過ぎ、世間の新年の賑わいも落ち着きを見せ、皆それぞれ日常に戻っていった頃。
日本の元に、アメリカから電話がかかってきた。
「お待たせしましたアメリカさん。日本です。」
「やあ日本!ハッピーニューイヤー!」
「あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。」
「ああ、俺からもよろしくと言いたいところだが、その前に君に確認したいことがあってね。」
「ええ、なんでしょうか。」
「…総裁選はどうなりそうだい?」
「まだよくわかりませんね。特別支持率が高い方もいませんし…」
「ふーん?まあそれはどうでも良いよ。」
「(そっちから聞いといてなんなんだこの人…)」
「それよりさ…」
「萩原は、元気かい?」
「…ええ。」
普段は少し早口で軽快な喋り方のアメリカが、電話越しでもわかるほどに声のトーンを落とし、ゆっくりと言葉を紡いだ。
ただの声の変化でも、たった一人の人間の名前でも、それらが"彼"の口から紡ぎ出されることには大きな意味があり、日本はその意味を理解しなければいけない立場であった。
「戦後を生き抜いた反米総理大臣。ああ失敬、今は総理じゃないのか。」
「彼は俺のこと嫌いだよなぁ、俺と仲の悪い国とばかり関係を深めて、俺と日本を遠さげようとして。既に日米同盟があって、自国に米軍基地があるっていうのにさ。なぁ日本?」
「…何が、言いたいんですか?」
「へぇ、君お得意のサッシ?はしてくれないのかい?」
「察することができるほどの情報量ではありませんので。」
「嘘だね、俺の態度一つでいつもあれこれ気を回してるじゃないか。」
「まあ、彼のおかげで君が自立してくれるのは俺としても助かるけど…あんまり俺の存在を軽視しないでくれよ?」
「貴方を、軽視したことはありませんよ。貴方と、出会った時から。」
「ははっ、光栄だね。」
「…君はジョーカーだ。だから、もし万が一のことがあったら、君がなんとかするんだぞ?」
「…はい。」
「俺と君が上手くいっている方が良い。紅葉だって、そう言うと思うよ。」
「っ!!!」