愛が欲しい〈ジェイド〉
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コッ、コッと近付く靴の音にフロイドが顔を上げると、深海を思わせるような深い青色のハンカチが差し出されていた。
「ありがと、アズール」
「僕は、慈悲の精神に基づく寮長ですから」
ハンカチを差し出してくれたのは、幼馴染のアズールだった。
「・・・二人は?」
「・・・結ばれましたよ」
「そっか。良かった」
ハンカチで涙を拭いたフロイドは、ニコリと笑った。そんなフロイドに、アズールは手を差し伸べる。
「ほら。いつまでそこに座っているんです。肩を貸してあげるので、せめて自分のベッドで休んでなさい」
「はぁ~い」
こんな所に座り込んでと眉間に皺を寄せる幼馴染の手を掴んでゆっくり立ち上がり、のしっとわざと体重を肩にかけると「重いっ」と文句を言う幼馴染に、フロイドはクスクス笑って寮へと戻って行った。
― これは、幸せになれた一匹のウツボと
愛して欲しかったが身を引いて二人の幸せを願った一匹のウツボの 愛の話 ―
END
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