必ず手に・・・〈ジェイド〉
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鏡の間に戻って来る頃には監督生の頭が働くようになり、現状を理解した所でハッと我に返った。
『ジェイド先輩!下ろして下さい!』
「このままオンボロ寮までお連れしたいのですが。駄目ですか?僕は、少しでも貴女に触れていたい」
少し声を低くして監督生の耳元で囁いてみる。すると、○○は頬を真っ赤にして、ジェイドの腕の中でフルリと震えて反応した。
「っ!」
○○の反応を見て、ジェイドは直ぐに監督生を下ろしてあげる。
(告白して僕を男として意識してくれてるか確認のつもりで言ってみましたが・・・。あぁ、これは・・・危ないですね。早く渡してしまいましょう)
(ジェイド・・・先輩・・・)
チラリとジェイドを見てみると、今の自分と同じようにジェイドも頬を赤くし、顎に手を当てて何やら考え事をしているようだった。
「○○さん、これを受け取って頂けますか?」
そう言ってジェイドはポケットから何かを取り出して、手の平を○○に差し出した。ジェイドの手の平には、ハートの形をしたピンクの石でできた首飾りがあった。
「急いでいたものですから。箱には入っていませんが、これを貴女に差し上げたくて。今日のデートのお礼です」
『え?私に・・・・』
「フフフ。貴女以外に誰にあげろと?要らないなら、拒絶して下さいね」
ジェイドは更に○○に近寄ると、前からゆっくりと○○の首に手を回して首飾りをつける。拒絶出来る時間は作るも、つけ終わるまで大人しくしてくれた○○に、ジェイドは心の中でホッとした。自分からの贈り物を○○が受け取ってくれたのだ。
(インカローズ・・・。どうか、○○さんの永遠のパートナーには僕でありますよう・・・)
そう願いを込めて石にキスをして首飾りから手を離した。
『ま、またそうやって・・・!』
「おや。僕は石にキスしただけですよ?それとも、○○さんもキスして欲しいですか?」
『けっ、結構です・・・!』
「・・・それは傷付きますね。フフ。さて、本来なら貴女を寮まで送り届けたいのですが、これから店の買い出しと開店準備をしなければならなく・・・」
『ジェイド先輩。傷の手当てをしたら、全て私が代わりにやります!』
腕に傷を作らせてしまったからと申し出てみるも、ジェイドからは承諾は得られなかった。
「ありがとうございます。貴女のその気持ちだけで充分です。ですが、貴女に重い物を持たせる訳にもいきませんし、買い出し後は指示も出さないといけないので」
『そう・・・ですか・・・』
ジェイドの力になれなくてシュンとしてしまった○○を、無意識に優しく頭を撫でていた。
「僕の事を気に掛けて下さるのなら、今後とも仲良くして頂きたいのですが」
『それは勿論です!』
「フフ。嬉しいです。それでは、今日はこれで。気を付けて帰って下さいね」
『はい。色々とありがとうございました!』
ペコリと頭を下げ、足早に去って行くジェイドの後ろ姿を、○○は見えなくなるまで見送った。
※インカローズ・・・持つ人に永遠のパートナーにめぐり会わせ、幸福な恋愛、結婚へと導くといわれている