必ず手に・・・〈ジェイド〉
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「ここです」
ジェイドに連れて来られたのは、ハートの形をモチーフにした物が多めのアクセサリーショップのようだった。店内は多くの客で賑わっていて、その中に同じNRCの生徒も数名居た。
「今日は期間限定で、恋愛が叶うようにと作られたアクセサリーが売られているんです」
成程。道理でハートの形が多かったり、素材がピンク色の物が多いのか。しかし、こういう店に薬があるようには見えない。
『ジェイド先輩・・・。お薬は・・・いいんですか?』
「・・・薬はそんなに急ぎではありません。折角二人きりで来ているのですから、僕とのデート・・・○○さんにも楽しんで頂きたいのですが・・・」
○○の言葉に少し間を置き、眉を下げるジェイドの表情は寂しそうだ。しかし、それよりも案特性の耳にスルー出来ない言葉が届いた。
『デ、デート!?』
「はい。男女二人きりで出掛けているのですから、デートでしょう?それとも・・・○○さんは僕なんかとデートしたくなかった・・・ですか・・・?」
シューンと効果音が聞こえて来そうな程、更に悲しい表情で落ち込むジェイド。そんなジェイドを見ていたら、自分の胸が苦しくなるのを感じる。
『そんな事一言も言ってません!ただ・・・デートだと言われて照れてしまっただけで・・・』
モゴモゴとジェイドから視線を外して頬をほんのり赤く染めて言う○○に、ジェイドはほくそ笑みそうになるのを堪えた。
「そうでしたか。それなら良かったです。さて、○○さんに似合う物を選びませんとね」
ニコリと笑ってそう言うと、ジェイドは期間限定商品呑みに絞って一つ一つ手に取って品定めを始めた。
『え?私に?でも、ジェイド先輩が見ているのって恋愛が叶うっていう・・・』
そこまで言って○○は口を噤んだ。勝手に自分への贈り物として選んでくれているのかと思ってしまったが、似合いそうなのを選んでくれているだけで、勧められて気に入れば自腹で買う。きっとそう言う事なのだろう。
(マドル多めに持って来て良かった)
改めて財布の中身を確認し、元の所に仕舞う。
ジェイドの方は品選びに夢中のようだし、○○は邪魔にならない様少し離れて、ジェイドが声を掛けて来るまで待つ事にした。
「なぁ、やっぱり人間と同じ肌色の人魚がいいよな。緑っぽい肌色って、気持ち悪くね?」
「まぁな。って、本人に聞こえたらどーすんだよ」
「この距離なら聞こえねぇって」
ジェイドと自分達の距離が離れているからと、二人組のNRCの学生がコソコソと話しながら店を出て行った。出入口付近に居た○○に、二人の会話は丸聞こえ。
(今のって)
店内にいる人魚は今の所一名除いて全員が人間と同じ肌色。そして一名除いた人魚・・・ジェイドの肌は緑っぽい・・・。
先程のは、明らかにジェイドへの悪口。
『・・・っ』
考えるよりも先に、体が動いていた。○○は彼らの後を追い、ジェイドには何も言わずに店を出た。