勘違いジェラシー〈アズール〉
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「・・・そうですか。それは何より。取り敢えず、これでお互い誤解が解けたという事ですよね?」
『まぁ・・・そうなりますね』
「では○○さん。仲直りの口付けを」
そう言ってアズールは○○の頬に優しく触れ、顔を近付けると同時にゆっくりと瞼を下ろしていく。先程の口移しではなく、ちゃんとした恋人同士の口付けをするのは数日振りだと思いながら、○○も目を閉じ、互いの唇が触れ合うその瞬間を待った。だが・・・。
「あぁ、僕は何という事をっ」
もう少しで唇が触れようとした瞬間パッと顔が離れ、アズールは芝居がかった声を出した。
『え・・・?』
「貴女の了承を得ずに、口付けをしようとしてました。折角仲直りが出来たというのに、無理矢理しようとするなんて・・・。僕はなんという恋人でしょう。ねぇ、○○さん」
ニッコニッコと笑うアズール。凄く良い笑顔だが、なんか嫌な予感を凄く感じる。
口付けなんて、これまで一度も了承等していないではないか。大体いつもアズールから自然にして来て・・・。何を今更言っているのだろうか?
『私は・・・その・・・』
「はい?○○さんは、僕と?」
『し・・・してもいい、です・・・っ』
「してもいいだけでは、了承を得た事にはなりません」
あぁ。アズールが自分に何と言って欲しいかわかった。
『・・・したいです』
「何を?」
やっぱり。具体的に言わせたいご様子。見て欲しい、このアズールの素晴らしい程の笑顔を。とても楽しそうにしていらっしゃる。
普段ならここで『もういい!』と言ってしまう所だが・・・。
『アズール先輩と・・・キス・・したいです・・・っ』
だって、ここ数日触れ合っていないのだもの。恋人らしい事をしたい。
「わかりました。そこまで言うのなら」
そう言ってアズールは椅子から立ち上がってベッドの方へと腰を掛けた。
「では、口付けをどうぞ」
そこからアズールは動かない。
『もう・・・っ。許して下さい・・・っ』
語尾に音符マークが付いていたであろうアズールに、許しを乞うてみた。自分からするのは恥ずかしい。
「薬とは言え、他の男からの贈り物で喜ぶ彼女を、僕は慈悲の心で許容しました。本当は、また嫉妬で狂いそうでしたのに」
眉尻を下げて悲し気な声音で話しているが・・・。やはり態とらしい。
「慈悲の心で対応した僕に、それなりの対価・・・ご褒美があっても良いのではないでしょうか」
『・・・・・・・意地悪』
「何か?」
ポロリと出た声量は小声程度のもの。聞こえなかった振りをする笑顔のアズールに、はっきり言ってやれば良かったと○○は思った。
『わかりました!』
えぇい、勢いだと!羞恥心を一瞬捨てて、思い切って顔を近付け、一瞬だけ唇を重ねて直ぐに離した。
『・・・・・・』
口付けはした。したが・・・・・・一瞬過ぎて、物足りなさを感じてしまった。これなら、先程の口移しの方が長く触れ合っていた。
(これじゃあ、まるで欲求不満みたいじゃないか・・・っ!)
監督生は顔を真っ赤にして両手で頬を抑え、アズールはどんな反応をしているのだろうと、チラリと見てみる。すると・・・。
「フフ」
どうやら、アズール様はご満悦のご様子。周りに花が飛んでいそうな程ホワホワしていた。
「可愛らしい口付けを、どうもありが・・・・・・○○さん?」
○○からして貰った口付けにホワホワしていると、再び○○が近付いて来て、アズールは少し背を仰け反らせた。○○に要求し過ぎて、怒らせてしまったかと思ったのだ。
「す、すみません。少し貴女に要求し過ぎましたよねっ。反省してますので、どうか怒らないで・・・っ」
『アズール先輩・・・』
「はい!」
近付く○○にビビるアズール。○○は構わず続ける。
『足りない』
「え?」
『先輩が足りない』
○○はアズールの首に腕を回し、今度はしっかりと唇を重ねた。そして少し離してもう一度口付けを。
『んっ』
しっかりと触れ合えて満足した○○は、ゆっくりと顔を離していく。すると、今度はアズールの方が顔を真っ赤にしていた。
『はは。先輩、顔真っ赤。美味しそうなタコさんになってますよ』
「全く貴女は・・・。いいでしょう。美味しそうだと言うなら、食べてみますか?」
○○の行動に驚いて苦笑して。今度はフッと笑って○○の腰に腕を回した。
『はい』
笑顔で頷くと、今度は互いに顔を近付けて、優しい口付けを交わした。
END
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