勘違いジェラシー〈アズール〉
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『ふぅ・・・』
○○は保健室に着くと先生に事情を言い、ベッドを借りて横にならせて貰う。それと同時に、先生は用事があって暫く保健室を留守にすると○○に伝えて行ってしまった。保健室には、○○一人。
『・・・・・・あ』
久しぶりにアズールと話が出来て忘れていたが、気持ちが落ち着いた事で思い出してしまった。お腹が痛い事にっ。
この時の為に制服のポケットには生理痛に効くらしい薬が入っている。しかし、水までは持参していない。折角ベッドに横になった所だが、起きなければ。保健室には洗面所があるから、そこで水を頂こう。
『よ・・・っと・・・』
ベッドから降りて閉めたカーテンを開ける。
「失礼します」
凄いタイミング・・・。
保健室のドアを開けたアズールは、立っている○○を見て驚いた。
「貴女は・・・っ。僕は保健室で横になってて下さいと・・・っ」
『違うんです!水を貰おうと!』
「水・・・?わかりました。それは僕がお持ちしますので、貴女はベッドへ」
『はい・・・』
何だかアズールに怒られてばかりだなと思いながら○○は再びベッドへ戻り、薬を取り出して待つ事にした。アズールは水を入れるコップを探すと洗面台の引き出しにあった紙コップを見つけ、それに水を入れて○○の傍へと来てくれた。
「それは?」
アズールの視線は○○が持っている薬へと注がれる。
『これは、サムさんがくれた薬で・・・』
サムさんがくれたと言っただけで、○○の手からパッと薬がアズールに奪われてしまった。
『今の私の体調を良くしてくれる薬です』
と苦笑して言うと、アズールはハッと我に返って直ぐに薬を返してくれた。
「すみません、つい。手が勝手動いてしまったようで・・・。さぁ、体調が良くならその薬を飲んで下さい」
シュンと落ち込んだ表情からニッコリと笑うアズール。薬を口の中に入れれば、持っている紙コップを渡してくれるのだろう。○○は早速薬を口の中に入れ、アズールに手を出して紙コップを受け取ろうとする。すると、アズールは紙コップを持ち上げ・・・・・・水を自分の口の中に含んでしまった。頭の中でまさかと思っている瞬間にアズールに顎を掴まれ、そして顔が近付いて来て唇を重ねられた。
『んっ!』
○○の口の中に水が流し込まれる。コクリと薬と一緒に飲むと、ゆっくりとアズールの唇が離れて行く。
「○○さんが他の男の名前を言うからですよ」
『そ、それは・・・っ。アズール先輩が質問してきたからじゃないですか!』
「コホンッ。さ・・・、もう横になって下さい」
元々はアズールから聞いて来たからじゃないかと言うと、アズールは咳払いを一つ。この話題は終わりと監督生の肩に手を置き、優しく押した。
『・・・・・・』
「・・・・・・」
○○が横になると、アズールは椅子を持って来て、○○の傍に座ってジッと○○を見つめている。見守ってくれているのだろうが、とても落ち着かない。そこで、○○は思い切って聞いてみる事にした。
『アズール先輩・・・。聞いてもいいですか?』
「どうぞ」
『私の事、嫌いになったのに、何でそんな優しくするんですか?それに、さっきは口移しまで・・・っ』
流れていくやり取りで無反応に終わってしまったが、思い出すだけで恥ずかしくなって顔が赤くなっていく。しかし、語尾が小さくなっていく○○に、アズールは首を傾げた。
「僕がいつ貴女を嫌いになったと言いました?恋人の貴女を、僕が嫌いになる訳がないでしょう」
当然の事を何故聞くのかという様な口調のアズール。確かに、直球で嫌いになったとは言われていないが・・・。
『えっ!?で、でもっ、好きにしろとか、お店の出禁とか、挨拶しても無視とか・・・!』
「あぁ、それは・・・」
その先は言い辛いのか、アズールは口も目も閉じて困った表情をしている。そして数秒後、再び開けた。
「貴女がサムさんに心を奪われてたようでしたので・・・。酷く嫉妬していたんです。あの状態で貴女に会っていたら、傷付ける言葉しか出て来ない気がして・・・。ですが、無視は良くありませんでしたね。出禁にしたのもやり過ぎました。すみません」
『私は、サムさんに心奪われたりしてません!』
アズールがどう思っていたか、その理由を聞いて○○はガバッと勢い良く起き上った。その反動で腰の痛みが強くなったが今はそれ所じゃない。アズールにちゃんと言わなければ。
『あの時、私がサムさんの店で買っていたのは生理用品です!』
「せい・・・り・・・?」
どうやら直ぐピンと来ないようだ。人魚だからなのか、男子だけの学校だからか・・・。
『人間の女性は月一位に赤ちゃんを育てる子宮から・・・』
「わあぁぁ!わかりました!知識として知ってます!それ以上言わなくていいです!」
顔を赤くし、どこを見ていいかわからないとクルクル瞳が彷徨っているアズールは何だか可愛く見えて、○○はクスッと笑った。
『そろそろ来る頃だろうと、サムさんの所で買っていたんです。その時に、生理痛に効くという薬をサービスで貰ったんです』
「そういう事だったんですか。僕はてっきり、紙袋の中身はサムさんに貰った贈り物で、それで喜んでいたのだと・・・」
『薬はタダで貰えたから、贈り物になるのかな?薬はタダだったから嬉しかったですけど』
そう言った後、○○は直ぐ後悔した。何故なら、アズールの雰囲気が変わったのだから。