勘違いジェラシー〈アズール〉
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本当に何でこんな事になってしまったのか。あれからアズールとは言葉を交わしていない。挨拶さえ無視され、モストロ・ラウンジでは出禁になっていた。
酷くないだろうか?
『はあぁぁぁぁぁ~~・・・・・・・』
「おいっ。おい!」
大きい大きい溜息を吐く監督生を、グリムが前足で体を揺さぶってくる。正直、今は誰とも話したくないのだが。
「○○!」
『ひゃ!?』
クルーウェルに急に名前を呼ばれ、丸まっていた背中がピンと伸び、序で変な声が出てしまった。
「俺の話を聞いていないとは、いい度胸だ。そんな駄犬には、後でお仕置きだ」
『はい・・・』
今はクルーウェルの授業中だった。アズールの事で悩んでいたが、授業中にあからさまな溜息を吐いてしまったのは自分が悪い。○○は謹んでお仕置きを受ける事にした。
『うぅっ。辛い・・・っ』
何が辛いってクルーウェルのお仕置きがではない。いや、お仕置きとしてクラス全員のノートを職員室まで届けるのは、ちょっと・・・結構ノートが重くて大変ではあるが、来てしまったのだ、女の子の日が!ナプキンはそろそろだろうとして来ている為、それは大丈夫。しかし、この生理痛の下腹部の痛みと腰痛のダブルの痛み。その上一人で重い物を持っているというのが、本当に辛い・・・!
「何やってるんですか!」
『え?』
何やってるって見ての通りだがと思うも、久しぶりに聞いた彼の声に、○○は嬉しさを感じた。
『ア、アズール先輩!?』
そう、前から声を掛けて来たのは、喧嘩別れしたままのアズール。アズールは○○の元へ駆け寄ると、○○の手から全てのノートを奪い取った。
「そんなに顔色悪くしているのに、こんな重い物を一人で持って・・・。更に体調を悪くしたいんですか?」
前後の痛みには辛さを感じているが、顔色が悪くなっている事には気付かなかった。
「どこに運ぶんですか?職員室ですか?」
『は、はい・・・』
「では、これは運んでおくので、貴女は保健室で横になっていて下さい」
矢継ぎ早に言われ、監督生は茫然とする。
『ア・・・アズール先輩・・・?』
何故アズールは自分を助けてくれたのだろうか?自分の事が嫌いになったのではないか?それなのに、何で自分の体調の変化に気付いてくれたのだろうか?何故・・・そんな心配そうな表情を、自分に向けるのか・・・。
そんな疑問が頭の中でグルグルと回っている○○を、アズールはキッと軽く睨んできた。
「聞いていましたか?返事は」
『は、はい!』
「よろしい。ノートを運び終わったら、僕も直ぐ向かいます。行ったら貴女が居ないという事が無いように。いいですね?」
無理して教室に戻らず、しっかり保健室で休んでろという意味だ。○○は逆らう事なく頷く。
『わかりました』
「・・・では、行って下さい」
○○が頷くのを見るとホッと安心したように微笑み、○○が保健室へと向かって行く姿を見届けてから、アズールは職員室へと足早に向かった。