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海王星

『沈黙が迫っている』
『……!』

 気が付くと私はいつもの夢の中にいた。今日は最初から体が動く。後ろを振り返ればこれまでずっと暗闇に紛れて見えていなかった声の人物の姿が鮮明に映った。

『あなたは……』
『僕は君の、パートナー』

 そう告げたセーラー服のその人は、天王はるかの顔をしていた。
 パートナー、と頭の中で彼女の言葉を反芻するとカッと顔が熱くなるのを感じる。

『そう……そういう、ことだったのね……』
『沈黙の時はすぐそこだ。阻止しなければならない』

 彼女はひたすら真っ直ぐに荒れ狂う海を見て独り言のように呟く。海はこれまで通り私を飲み込もうと迫ってきていた。
 私は視線を海の方に戻すと、意を決して私を飲み込もうとする海に向かって走り出した。
 すぐに海は私を飲み込んで暗い暗い、闇の中へと誘った。
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