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海王星

 天王はるか。
 初めて風のように走るその人を見てから私は天王さんに惹かれた。良くないことだというのは分かっていたけれど天王さんのことが気になって天王さんのことを調べた。
 調べて分かったのは天王さんは彼ではなくて彼女だということ。スポーツは色々とやっていてそのどれもで好成績を残しているけれどすぐにやめていること。唯一続いてるのが陸上で、それも最近はモータースポーツに転向し始めているらしいということ。
 天王さんについて知っていくほど人嫌いと言われるほどあまり他人に干渉していなかった自分が嘘に思えるほど彼女を知りたくて仕方がなかった。
 どうしてこんなにも彼女に惹かれるのか、それは分からないけれどそれでいいと思った。人に惹かれる、人を好きになるという事に理由なんてないのだろう。
 私はそれからヴァイオリンと絵の合間に時間を作っては彼女の走る姿を見に行った。
 陸上競技でも、モータースポーツでも、やっぱり彼女の走る姿は風そのものだった。私はそんな天王さんの姿に私も頑張ろう、という気持ちを貰って以前よりヴァイオリンに打ち込んでいった。
 けれど、それとほぼ同時に悪循環の原因ともなった夢をまた見るようになった。それも不透明ながら起きてからも内容を覚えていられるほどに。
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