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海王星

 目を開ければそこは変わらずサーキット場だった。天王さんは記者やフリークの子たちに囲まれて曖昧に微笑んでいる。
 私は手に感じる硬いものを握り締めてそんな天王さんを見つめていた。

「……ごめんなさいね、ネプチューン。私は、あの人を覚醒させたりなんてしないわ」

 私が守りたいのは天王はるか。もちろん、同一人物であるウラヌスも守りたいと思う。けれど、私はネプチューンじゃなくて海王みちるだし、彼女はウラヌスじゃなくて天王はるかだから。
 あなたのいうウラヌスは守れない。あの人と前世からの繋がりがあるのは嬉しいけれど、私が戦うことを決めたのに前世は関係ない。
 1人では無理かもしれない、辛いと思う。それでも、あの人が私のパートナーであるという事実だけあれば、私は戦える。
 ウラヌスを見つけるよりも先に、私は天王はるかを見つけたのだ。運命を超えて見つけられた事に、私は嬉しく思った。

「……!」

 海が、荒れている。
 私はもう1度天王さんを見てから手の中のロッドを握り締めて駆け出した。
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