私の初明かり
リビングに大きな布団を敷いて寝た深夜。目が覚めるとまだ太陽は昇りきっていないようでうっすらと明るい程度だった。
どんなに遅い時間に寝ても起きる時間は体が覚えているようで必ず決まった時間に目が覚める。
隣に眠るはるかとほたるを起こさないようそっと体を起こすとほたるの向こう側で寝ていたせつなが目を覚ました。
「ごめんなさい。起こしてしまったかしら」
「いえ、目が覚めただけですので」
せつなと一緒に布団から抜け出すと隣から温もりが消えたはるかとほたるは寒かったのか、毛布を自分で引き上げるとお互いに寄り添いあった。
毛布にくるまったほたるがはるかの胸に擦り寄るとはるかも毛布ごとほたるを腕の中に引き寄せる。
「ふふっ、かわいいわね」
「そうですね。はるかも、かわいい所がありますからね」
せつなの言葉に珍しいなと首を傾げると昨夜はるかに言われたんです、と返ってくる。みなまで聞かずともその意味を悟った私は微笑んでそう、と返した。
2人でキッチンへ入るとお雑煮の準備を進めていく。まだ食べるには早い時間だから準備だけ終えると紅茶を用意してまたリビングへ戻る。
ソファに腰かけて寝ている2人を見ていると隣に座っていたせつなが口を開いた。
「そういえば、昨夜はすみませんでした」
「え?」
「はるかと起きてると言っていたのに寝てしまって……」
「ああ、いいのよ。私なんて先に寝てしまっていたもの」
慌ただしい年越しでしたね、と苦笑いをするせつなに私は笑ってでも賑やかで楽しかったわ、と返す。
海王の家では……? と遠慮がちに聞いてくるせつながおかしくてくすくすと笑う。
「年越ししてたわ。でも、ほら。海王の家だもの。みんな起きてるけれど静かだったわ」
「ああ、なるほど」
「だから慌てたけど楽しかったわ。でも今年の年越しはもう少し落ち着きたいわね」
せつなは私の言葉に少し目を見開き、そして優しく微笑むとそうですね、と頷いた。
そうして2人で昨夜のことを話していると太陽も昇り始めて明るくなってきた。
そろそろ2人を起こしてまずはリビングを綺麗にしなくちゃいけないわね。
「はるか、起きて」
「ほたるも、起きてください」
はるかの毛布を剥ぎ取り声をかける。せつなはほたるの毛布を剥ぎ取ることはせず肩を揺するだけだった。
「うぅ〜……」
「さむ……」
ほたるは唸り、はるかはほたるをさらに抱きかかえるように腕の中に閉じ込める。そうすることで苦しくなったほたるが目を覚ました。
「んー、はるかぱぱ……くるし」
「おはようほたる」
目を覚ましたほたるにせつなとおはようと声をかける。はるかの腕の中から抜け出したほたるは眠そうな目を擦っておはよ……と呟いた。
「さ、ほたるは支度をしましょう」
せつなはそう言うとほたるを連れてさっさとリビングからいなくなってしまった。
残されたのは私と寝坊助さん。困ったわ、と思いながらはるかを振り返る。
「はるか、起きてちょうだい。まだ寝ていたいならソファか上に移動して欲しいのだけれど」
声をかけながら肩を揺する。はるかはうーうーと唸ってなかなか起きてくれない。
もう、と一度離れようと体を起こすと腕を掴まれてはるかの腕の中に閉じ込められた。
「ちょっと、はるか」
「んー」
「あなた、起きてるでしょう。もう、お部屋綺麗にしたいから起きて」
はるかの胸を押し返して抜け出そうとするがさらに強い力で抱き寄せられて逃げることが叶わない。
溜息を吐いてそろそろ本気で怒ろうかしら、と思ったタイミングで腕の力がふっと抜けた。顔をあげればはるかの顔がすぐそこにあって、気が付いたら唇に柔らかいものが当たっていた。
「おはよ、みちる」
「……おはよう。もう、目を覚ましたならすぐに起きてちょうだい」
「ごめんごめん」
よっ、と言いながら先に体を起こしたはるかを遅れて体を起こした私は見つめる。
伸びをするはるかはもう眠気はないようで気持ちよさそうな顔をしていた。
「お雑煮出来てる?」
「ええ、すぐに用意出来るわ。でもその前にここを片付けなきゃ」
そう言うとはるかは分かった、と言って布団を片付け始めた。
私はその様子を見てはるかに声をかける。
「リビングが片付く頃にはお雑煮も食べれるわ。せつなとほたるにも声をかけておいて」
「りょーかい」
はるかは布団を抱えて振り返ると太陽のような笑顔を浮かべた。
どんなに遅い時間に寝ても起きる時間は体が覚えているようで必ず決まった時間に目が覚める。
隣に眠るはるかとほたるを起こさないようそっと体を起こすとほたるの向こう側で寝ていたせつなが目を覚ました。
「ごめんなさい。起こしてしまったかしら」
「いえ、目が覚めただけですので」
せつなと一緒に布団から抜け出すと隣から温もりが消えたはるかとほたるは寒かったのか、毛布を自分で引き上げるとお互いに寄り添いあった。
毛布にくるまったほたるがはるかの胸に擦り寄るとはるかも毛布ごとほたるを腕の中に引き寄せる。
「ふふっ、かわいいわね」
「そうですね。はるかも、かわいい所がありますからね」
せつなの言葉に珍しいなと首を傾げると昨夜はるかに言われたんです、と返ってくる。みなまで聞かずともその意味を悟った私は微笑んでそう、と返した。
2人でキッチンへ入るとお雑煮の準備を進めていく。まだ食べるには早い時間だから準備だけ終えると紅茶を用意してまたリビングへ戻る。
ソファに腰かけて寝ている2人を見ていると隣に座っていたせつなが口を開いた。
「そういえば、昨夜はすみませんでした」
「え?」
「はるかと起きてると言っていたのに寝てしまって……」
「ああ、いいのよ。私なんて先に寝てしまっていたもの」
慌ただしい年越しでしたね、と苦笑いをするせつなに私は笑ってでも賑やかで楽しかったわ、と返す。
海王の家では……? と遠慮がちに聞いてくるせつながおかしくてくすくすと笑う。
「年越ししてたわ。でも、ほら。海王の家だもの。みんな起きてるけれど静かだったわ」
「ああ、なるほど」
「だから慌てたけど楽しかったわ。でも今年の年越しはもう少し落ち着きたいわね」
せつなは私の言葉に少し目を見開き、そして優しく微笑むとそうですね、と頷いた。
そうして2人で昨夜のことを話していると太陽も昇り始めて明るくなってきた。
そろそろ2人を起こしてまずはリビングを綺麗にしなくちゃいけないわね。
「はるか、起きて」
「ほたるも、起きてください」
はるかの毛布を剥ぎ取り声をかける。せつなはほたるの毛布を剥ぎ取ることはせず肩を揺するだけだった。
「うぅ〜……」
「さむ……」
ほたるは唸り、はるかはほたるをさらに抱きかかえるように腕の中に閉じ込める。そうすることで苦しくなったほたるが目を覚ました。
「んー、はるかぱぱ……くるし」
「おはようほたる」
目を覚ましたほたるにせつなとおはようと声をかける。はるかの腕の中から抜け出したほたるは眠そうな目を擦っておはよ……と呟いた。
「さ、ほたるは支度をしましょう」
せつなはそう言うとほたるを連れてさっさとリビングからいなくなってしまった。
残されたのは私と寝坊助さん。困ったわ、と思いながらはるかを振り返る。
「はるか、起きてちょうだい。まだ寝ていたいならソファか上に移動して欲しいのだけれど」
声をかけながら肩を揺する。はるかはうーうーと唸ってなかなか起きてくれない。
もう、と一度離れようと体を起こすと腕を掴まれてはるかの腕の中に閉じ込められた。
「ちょっと、はるか」
「んー」
「あなた、起きてるでしょう。もう、お部屋綺麗にしたいから起きて」
はるかの胸を押し返して抜け出そうとするがさらに強い力で抱き寄せられて逃げることが叶わない。
溜息を吐いてそろそろ本気で怒ろうかしら、と思ったタイミングで腕の力がふっと抜けた。顔をあげればはるかの顔がすぐそこにあって、気が付いたら唇に柔らかいものが当たっていた。
「おはよ、みちる」
「……おはよう。もう、目を覚ましたならすぐに起きてちょうだい」
「ごめんごめん」
よっ、と言いながら先に体を起こしたはるかを遅れて体を起こした私は見つめる。
伸びをするはるかはもう眠気はないようで気持ちよさそうな顔をしていた。
「お雑煮出来てる?」
「ええ、すぐに用意出来るわ。でもその前にここを片付けなきゃ」
そう言うとはるかは分かった、と言って布団を片付け始めた。
私はその様子を見てはるかに声をかける。
「リビングが片付く頃にはお雑煮も食べれるわ。せつなとほたるにも声をかけておいて」
「りょーかい」
はるかは布団を抱えて振り返ると太陽のような笑顔を浮かべた。
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