what a lovely present
浮かない顔をして行ってきますを口にするはるかに私は笑顔で行ってらっしゃいと返す。続けてケガしないように、気を付けてね、と言いながら少し踵を上げて私からのキスを送る。
「ん、ありがとう。……あのさ、みちる、ほんとに……」
私ははるかの唇に人差し指を当てて言葉を途切れさせる。ぱちぱちと瞬きをするはるかに私は大丈夫よ、と言って背中を押した。
「ほら、そろそろ行かなきゃ遅刻しちゃうわよ。飛ばせば間に合う、なんて言わないでちょうだいね」
事故にあったら目も当てられないわよ、と言うとはるかは苦笑いをしてうんと頷いた。そうして出掛けていくはるかの背中を見送った私は玄関の扉が閉まると無意識に小さく息を吐いていた。
今日から2週間、はるかは遠征に出掛ける。それだけなら今までだって何度もあったし、もっと長い期間会えない時だってあったからこんなに落ち込むことは無かった。
問題は遠征の日付。遠征最終日、それはいわゆるクリスマス・イブで、今年は2人でお昼からデートに出掛ける予定だった。
はるかと出会ってからクリスマスはいつも共に過ごしていたけれどそれはパートナーとしてだったり、いつ訪れるかも分からない戦いの日常の中でのクリスマスだった。
だけど今年はようやく戦いから解放され、心置きなく普通の女の子として好きな人と過ごせる、特別で初めてのクリスマスだったから。
はるかも最初は今回の遠征は断ろうとしていたけれどどうにも断れない状況だったみたいだし、私もはるかがお仕事を大切にしているのを知っていたからギリギリまで渋るはるかの背中を押して送り出したのだ。
それなのに自分が思っている以上にショックを受けているなんて、と苦笑いをする。
「みちるママ……? はるかパパ行っちゃった?」
「おはよう、ほたる。ええ、ついさっき行っちゃったわ。お見送りしたかった?」
眉を下げて私を見上げるほたるに問いかけるとうん、それもあるけど、と言いづらそうに口をモゴモゴとさせる。
ほたるの言葉を待っているとリビングからせつなもやって来て、そのまませつなはほたるの肩を抱いた。
「あのね、みちるママ。パパとの約束は24日でしょ? でもパパは25日には帰ってくるから、25日に二人でデートに行ってきたら?」
せつなから勇気を貰ったようにほたるは私にそう告げる。せつなも優しい目をして私を見つめていた。
2人の優しさに私は嬉しくて微笑む。けれど、その提案は受け入れられないわ。
「あら、ダメよ。25日はみんなでクリスマスパーティをする予定だもの。そういう約束で、24日は二人でデートをさせて欲しいって私たちからお願いしたのよ?」
「でも……」
「それにはるかもきっとダメって言うわ。僕だけ仲間はずれにしてみんなでパーティなんて許さない! って言うわよ」
なおも食い下がるほたるにはるかの真似をしながら言うとまだ納得しきれていない顔をしながらもうーん、パパに拗ねられるのは困るなぁ、と笑う。
せつなは苦笑いを浮かべてコラ、とほたるを窘めた。
「ごめんなさーい」
「さ、先に支度を済ませてしまいなさい」
ペロッと可愛らしく舌を見せて謝るほたるを促すとせつなは私に向き直って本当に良かったのですか? と問いかけてきた。
「仕方ないもの。それに、本心よ。クリスマスパーティはみんなでしたいもの」
「……あなたたちがそれでいいなら、いいのですが」
「ありがとうせつな。大好きよ」
「なんです、急に」
照れるせつなにふふっと微笑んで私は朝食の用意をするわねと答えてキッチンへ足を向けた。
◇◇◇
はるかが遠征に出掛けて13日目。つまりクリスマス・イブ前日の夜、今日もこの約2週間恒例となっているはるかとの電話を楽しんでいた。
『……って言うんだぜ? おかしいよな』
「ふふふっ、本当。ぜひお会いしたいわ」
『んー、いや、ダメだな。アイツは惚れっぽいから会わせたら絶対みちるに惚れるもんね』
「あら、はるかったら自信がないのね?」
お互いに仕事のことだったりプライベートのことだったりを話して笑い合う。とても楽しいけれど、やっぱりすぐ隣に愛しい温もりがない事が少し寂しい。
両手でスマホを持っていつもはピンと伸ばした背筋を丸めてはるかの声を聞き漏らさないように耳を傾ける。
『……明日、さ』
「……ええ」
『…………いや、やっぱ何でもない』
おやすみ、というはるかの声にまだ聞いていたいと思いながらもおやすみなさいと返す。声が震えていないか心配だったけれどまたね、と言って切られた電話に少しだけほっとした。
「はるか……」
通話の切れたスマホを見つめたまま私は動けなかった。
◇◇◇
翌日。ついに訪れたはるかの遠征の最終日であり恋人たちの一大イベント、クリスマス・イブ。清々しいほどの晴天を見せる空にデート日和だわなんて呟く。
「みちるママー!」
「はーい」
階下から私を呼ぶ声に私も返事をする。そんな自分にくすりと笑って私も変わったものだと思う。
これが海王の家だったら大声を出すなんてはしたないと家の者に怒られただろうし、以前までの私もそう思っていた。けれど4人で住むようになって、特にはるかとその影響を受けたほたるによって私とせつなはだんだんと絆されていっているように感じる。
でもそれは嫌な事じゃなくて自分にいい変化をもたらしていると思う。
「みちるママ! おはよう!」
「おはようほたる」
階下に降りると今日は3人でお出掛けしよう! と笑顔で言うほたるがいた。私もその言葉に微笑んで頷く。
ほたるもせつなも私が今日を楽しみにしていたのを知っているからどうにか寂しい思いをさせないようにと色々考えてくれていたのね。
日中は3人でお出掛けをして夜は明日のパーティに用意しておいた料理を少し摘んだりして、クリスマス・イブは二人のおかげで楽しく1日を過ごすことが出来た。
そしてすっかりと日も落ちて空の支配が燦々と輝いていた太陽から白く輝く月に変わった夜中、私は1人リビングで少しワインを飲みながら月を見ていた。
はるかは明日のお昼くらいに帰ってくる。だから今日も電話をするだろうと思っていたのにはるかからの着信はなくて、こちらから掛けても呼び出し音が響くだけだった。
「はるかのばか」
アルコールでほんのり赤くなった頬を膝に埋めて小さく罵る。会えなくても声さえ聞ければ我慢出来たのに。
こんなに会いたくて会いたくて仕方がなくなったのははるかのせいなんだから。
グラスに残っていたワインを一気に飲み干して窓辺に立つとそのまま窓を開けて外の冷たい風を感じる。
少しでもはるかを感じたくてあの人を象徴する風に身を任せるけれどやはりはるかの包み込むような暖かさのある風とは違って、余計に虚しさを感じるだけだった。
「はるか……」
「みちる」
もう一度、月を見上げて名前を呼んだ時、背後から待ち望んだ声が私の名前を呼ぶ。驚いて振り返れば優しく微笑んだ会いたくて仕方のなかった愛しい人が立っていた。
「はる、か」
「ただいまみちる。待たせてごめん」
でも何とか、間に合って良かったと笑うはるかに私は無言で抱きついた。
はるかは少しも揺らぐことなく私を受け止めて力強く、けれど優しく私を抱きしめてくれる。
「帰ってくるの、明日って」
「その予定だったんだけど、早くみちるに会いたくてさ。仕事終わったあとすぐに出てきた」
飛ばしてはないぜ? みちるに怒られちゃうからな、なんてイタズラっぽく言うはるかに私は笑って暖かいその胸に頬を擦り寄せた。
大好きな温もり、大好きな香り、大好きなはるかの腕の中でクリスマス・イブが終わる前にはるかに会えたことを噛み締める。
「みちる、ちょっとだけ外歩こう」
「ええ」
はるかは薄着の私に自分の着ていたジャケットを羽織らせると私の手を引いてそのまま外へ出た。
はるかが風邪をひくわと言ってもすぐ戻るつもりだし、イブが終わる前にみちるとデートしたいんだもん、なんて言われて私はそれ以上はるかを咎めることは出来なかった。
ぎゅっとはるかの手を握るとはるかも同じように握り返してくれる。すぐ横に好きな人の温もりがあって、それを感じながら他愛もない会話をできることが嬉しくて私の心は躍っていた。
しばらく歩いて開けた場所に着くとはるかは足を止めて月を見上げる。私も同じようにはるかの肩に頭を預けて月を見上げた。
「……綺麗ね」
「……君と一緒だから、かな」
私は驚いてはるかに視線を向けるとはるかは私を見て微笑んでいた。
そっと私の手を離すとはるかはポケットから小さな箱を取りだして私に見せるようにその箱を開く。中には1つの指輪が入っていてアクアマリンが月の光を反射してキラリと輝いていた。
そっと指輪を取り出すとはるかは私の左手を取ってそのまま薬指に嵌める。
ゆっくりと左手を顔の高さまで上げて指と、指輪を見つめる。そしてそのままはるかの首に腕を回してその首筋に顔を埋めた。
「ありがとう、はるか」
「うん」
はるかは私の髪に顔を埋めながら頷く。一度強く抱きしめると腕の力を抜いて体を離していくから私もそっと埋めていた顔を上げてはるかと視線を合わせる。
ゆっくりと近付いてくるはるかに私は目を閉じて受け入れるとはるかは柔らかくて幸せなキスを送ってくれた。
素敵なプレゼントをたくさん貰った私は目を開けると同時に瞳から一筋の雫が流れ落ちて、それを見たはるかは目を細めて笑うと綺麗だ、と呟いた。
「ん、ありがとう。……あのさ、みちる、ほんとに……」
私ははるかの唇に人差し指を当てて言葉を途切れさせる。ぱちぱちと瞬きをするはるかに私は大丈夫よ、と言って背中を押した。
「ほら、そろそろ行かなきゃ遅刻しちゃうわよ。飛ばせば間に合う、なんて言わないでちょうだいね」
事故にあったら目も当てられないわよ、と言うとはるかは苦笑いをしてうんと頷いた。そうして出掛けていくはるかの背中を見送った私は玄関の扉が閉まると無意識に小さく息を吐いていた。
今日から2週間、はるかは遠征に出掛ける。それだけなら今までだって何度もあったし、もっと長い期間会えない時だってあったからこんなに落ち込むことは無かった。
問題は遠征の日付。遠征最終日、それはいわゆるクリスマス・イブで、今年は2人でお昼からデートに出掛ける予定だった。
はるかと出会ってからクリスマスはいつも共に過ごしていたけれどそれはパートナーとしてだったり、いつ訪れるかも分からない戦いの日常の中でのクリスマスだった。
だけど今年はようやく戦いから解放され、心置きなく普通の女の子として好きな人と過ごせる、特別で初めてのクリスマスだったから。
はるかも最初は今回の遠征は断ろうとしていたけれどどうにも断れない状況だったみたいだし、私もはるかがお仕事を大切にしているのを知っていたからギリギリまで渋るはるかの背中を押して送り出したのだ。
それなのに自分が思っている以上にショックを受けているなんて、と苦笑いをする。
「みちるママ……? はるかパパ行っちゃった?」
「おはよう、ほたる。ええ、ついさっき行っちゃったわ。お見送りしたかった?」
眉を下げて私を見上げるほたるに問いかけるとうん、それもあるけど、と言いづらそうに口をモゴモゴとさせる。
ほたるの言葉を待っているとリビングからせつなもやって来て、そのまませつなはほたるの肩を抱いた。
「あのね、みちるママ。パパとの約束は24日でしょ? でもパパは25日には帰ってくるから、25日に二人でデートに行ってきたら?」
せつなから勇気を貰ったようにほたるは私にそう告げる。せつなも優しい目をして私を見つめていた。
2人の優しさに私は嬉しくて微笑む。けれど、その提案は受け入れられないわ。
「あら、ダメよ。25日はみんなでクリスマスパーティをする予定だもの。そういう約束で、24日は二人でデートをさせて欲しいって私たちからお願いしたのよ?」
「でも……」
「それにはるかもきっとダメって言うわ。僕だけ仲間はずれにしてみんなでパーティなんて許さない! って言うわよ」
なおも食い下がるほたるにはるかの真似をしながら言うとまだ納得しきれていない顔をしながらもうーん、パパに拗ねられるのは困るなぁ、と笑う。
せつなは苦笑いを浮かべてコラ、とほたるを窘めた。
「ごめんなさーい」
「さ、先に支度を済ませてしまいなさい」
ペロッと可愛らしく舌を見せて謝るほたるを促すとせつなは私に向き直って本当に良かったのですか? と問いかけてきた。
「仕方ないもの。それに、本心よ。クリスマスパーティはみんなでしたいもの」
「……あなたたちがそれでいいなら、いいのですが」
「ありがとうせつな。大好きよ」
「なんです、急に」
照れるせつなにふふっと微笑んで私は朝食の用意をするわねと答えてキッチンへ足を向けた。
◇◇◇
はるかが遠征に出掛けて13日目。つまりクリスマス・イブ前日の夜、今日もこの約2週間恒例となっているはるかとの電話を楽しんでいた。
『……って言うんだぜ? おかしいよな』
「ふふふっ、本当。ぜひお会いしたいわ」
『んー、いや、ダメだな。アイツは惚れっぽいから会わせたら絶対みちるに惚れるもんね』
「あら、はるかったら自信がないのね?」
お互いに仕事のことだったりプライベートのことだったりを話して笑い合う。とても楽しいけれど、やっぱりすぐ隣に愛しい温もりがない事が少し寂しい。
両手でスマホを持っていつもはピンと伸ばした背筋を丸めてはるかの声を聞き漏らさないように耳を傾ける。
『……明日、さ』
「……ええ」
『…………いや、やっぱ何でもない』
おやすみ、というはるかの声にまだ聞いていたいと思いながらもおやすみなさいと返す。声が震えていないか心配だったけれどまたね、と言って切られた電話に少しだけほっとした。
「はるか……」
通話の切れたスマホを見つめたまま私は動けなかった。
◇◇◇
翌日。ついに訪れたはるかの遠征の最終日であり恋人たちの一大イベント、クリスマス・イブ。清々しいほどの晴天を見せる空にデート日和だわなんて呟く。
「みちるママー!」
「はーい」
階下から私を呼ぶ声に私も返事をする。そんな自分にくすりと笑って私も変わったものだと思う。
これが海王の家だったら大声を出すなんてはしたないと家の者に怒られただろうし、以前までの私もそう思っていた。けれど4人で住むようになって、特にはるかとその影響を受けたほたるによって私とせつなはだんだんと絆されていっているように感じる。
でもそれは嫌な事じゃなくて自分にいい変化をもたらしていると思う。
「みちるママ! おはよう!」
「おはようほたる」
階下に降りると今日は3人でお出掛けしよう! と笑顔で言うほたるがいた。私もその言葉に微笑んで頷く。
ほたるもせつなも私が今日を楽しみにしていたのを知っているからどうにか寂しい思いをさせないようにと色々考えてくれていたのね。
日中は3人でお出掛けをして夜は明日のパーティに用意しておいた料理を少し摘んだりして、クリスマス・イブは二人のおかげで楽しく1日を過ごすことが出来た。
そしてすっかりと日も落ちて空の支配が燦々と輝いていた太陽から白く輝く月に変わった夜中、私は1人リビングで少しワインを飲みながら月を見ていた。
はるかは明日のお昼くらいに帰ってくる。だから今日も電話をするだろうと思っていたのにはるかからの着信はなくて、こちらから掛けても呼び出し音が響くだけだった。
「はるかのばか」
アルコールでほんのり赤くなった頬を膝に埋めて小さく罵る。会えなくても声さえ聞ければ我慢出来たのに。
こんなに会いたくて会いたくて仕方がなくなったのははるかのせいなんだから。
グラスに残っていたワインを一気に飲み干して窓辺に立つとそのまま窓を開けて外の冷たい風を感じる。
少しでもはるかを感じたくてあの人を象徴する風に身を任せるけれどやはりはるかの包み込むような暖かさのある風とは違って、余計に虚しさを感じるだけだった。
「はるか……」
「みちる」
もう一度、月を見上げて名前を呼んだ時、背後から待ち望んだ声が私の名前を呼ぶ。驚いて振り返れば優しく微笑んだ会いたくて仕方のなかった愛しい人が立っていた。
「はる、か」
「ただいまみちる。待たせてごめん」
でも何とか、間に合って良かったと笑うはるかに私は無言で抱きついた。
はるかは少しも揺らぐことなく私を受け止めて力強く、けれど優しく私を抱きしめてくれる。
「帰ってくるの、明日って」
「その予定だったんだけど、早くみちるに会いたくてさ。仕事終わったあとすぐに出てきた」
飛ばしてはないぜ? みちるに怒られちゃうからな、なんてイタズラっぽく言うはるかに私は笑って暖かいその胸に頬を擦り寄せた。
大好きな温もり、大好きな香り、大好きなはるかの腕の中でクリスマス・イブが終わる前にはるかに会えたことを噛み締める。
「みちる、ちょっとだけ外歩こう」
「ええ」
はるかは薄着の私に自分の着ていたジャケットを羽織らせると私の手を引いてそのまま外へ出た。
はるかが風邪をひくわと言ってもすぐ戻るつもりだし、イブが終わる前にみちるとデートしたいんだもん、なんて言われて私はそれ以上はるかを咎めることは出来なかった。
ぎゅっとはるかの手を握るとはるかも同じように握り返してくれる。すぐ横に好きな人の温もりがあって、それを感じながら他愛もない会話をできることが嬉しくて私の心は躍っていた。
しばらく歩いて開けた場所に着くとはるかは足を止めて月を見上げる。私も同じようにはるかの肩に頭を預けて月を見上げた。
「……綺麗ね」
「……君と一緒だから、かな」
私は驚いてはるかに視線を向けるとはるかは私を見て微笑んでいた。
そっと私の手を離すとはるかはポケットから小さな箱を取りだして私に見せるようにその箱を開く。中には1つの指輪が入っていてアクアマリンが月の光を反射してキラリと輝いていた。
そっと指輪を取り出すとはるかは私の左手を取ってそのまま薬指に嵌める。
ゆっくりと左手を顔の高さまで上げて指と、指輪を見つめる。そしてそのままはるかの首に腕を回してその首筋に顔を埋めた。
「ありがとう、はるか」
「うん」
はるかは私の髪に顔を埋めながら頷く。一度強く抱きしめると腕の力を抜いて体を離していくから私もそっと埋めていた顔を上げてはるかと視線を合わせる。
ゆっくりと近付いてくるはるかに私は目を閉じて受け入れるとはるかは柔らかくて幸せなキスを送ってくれた。
素敵なプレゼントをたくさん貰った私は目を開けると同時に瞳から一筋の雫が流れ落ちて、それを見たはるかは目を細めて笑うと綺麗だ、と呟いた。
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