海王星
『やっと、ここへ来れたのね』
暗闇の中に響く、聞き慣れた声。ゆっくりと瞼を開けると目の前には先程の天王さんの姿をした人と色違いのセーラー服を身に纏った、私とそっくりな顔の人がいた。
『……見つけるのが、遅くなったわ』
『本当よ。間に合わないのかもしれないって思ったわ』
ふわりと微笑んだその人は責める言葉とは裏腹に優しい声音でそう言った。
『でも間に合って良かった。……あの人は、すぐ無茶をするから』
先に覚醒をさせてはイタズラにあの人を傷付けるだけなのよ、という彼女の言葉に私は首を縦に振って同意する。
『そうね。あの人は私に見向きもしなかった。ひたすら破滅を呼び込むものを見つめて、自分に誓いを立てるように阻止しなければと言っていたわ。……パートナーだと言っておきながら、1人で戦おうとしていた』
私の言葉に彼女は困ったように笑うとそういう人なの、だからあなたは先に目覚めなければならなかった、と言う。
『あの人は戦いの戦士。この太陽系で最も強い戦士。あの人との差を埋めるには、経験を積むしかない。……私は、この世のものでは無いから、戦えない』
彼女は私との距離を詰めてあと一歩踏み出せば鼻と鼻の先がくっ付くだろう位置まで来ると俯いて呟いた。
『あの人も時期に覚醒する。それまで、その後も、私の代わりに、あの人を守って。私の力を、経験を、知識を、あなたに全て託すわ』
大丈夫、海王星は太陽系の最前線、私はあの人より、より多くの実戦を積んでいるわ、と顔を上げて微笑む。
私はそんな彼女の言葉に言葉で返答せず微笑みを返すだけだった。
意識が遠のく。視界が真っ白になっていく中、最後にお願いね……という声が聞こえた。
暗闇の中に響く、聞き慣れた声。ゆっくりと瞼を開けると目の前には先程の天王さんの姿をした人と色違いのセーラー服を身に纏った、私とそっくりな顔の人がいた。
『……見つけるのが、遅くなったわ』
『本当よ。間に合わないのかもしれないって思ったわ』
ふわりと微笑んだその人は責める言葉とは裏腹に優しい声音でそう言った。
『でも間に合って良かった。……あの人は、すぐ無茶をするから』
先に覚醒をさせてはイタズラにあの人を傷付けるだけなのよ、という彼女の言葉に私は首を縦に振って同意する。
『そうね。あの人は私に見向きもしなかった。ひたすら破滅を呼び込むものを見つめて、自分に誓いを立てるように阻止しなければと言っていたわ。……パートナーだと言っておきながら、1人で戦おうとしていた』
私の言葉に彼女は困ったように笑うとそういう人なの、だからあなたは先に目覚めなければならなかった、と言う。
『あの人は戦いの戦士。この太陽系で最も強い戦士。あの人との差を埋めるには、経験を積むしかない。……私は、この世のものでは無いから、戦えない』
彼女は私との距離を詰めてあと一歩踏み出せば鼻と鼻の先がくっ付くだろう位置まで来ると俯いて呟いた。
『あの人も時期に覚醒する。それまで、その後も、私の代わりに、あの人を守って。私の力を、経験を、知識を、あなたに全て託すわ』
大丈夫、海王星は太陽系の最前線、私はあの人より、より多くの実戦を積んでいるわ、と顔を上げて微笑む。
私はそんな彼女の言葉に言葉で返答せず微笑みを返すだけだった。
意識が遠のく。視界が真っ白になっていく中、最後にお願いね……という声が聞こえた。