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海王星

 夢はどんどんと頻度を増して私を蝕んでいく。内容ももっと濃く、リアルに、長時間になっていく。今日も今日とて荒れ狂った海を前に私は一歩も動けない。

『本当に、一体何なの……?』

 私は前方の海を睨み付けて心の中でそう呟いた。その瞬間、背後から声が響いた。

『沈黙が迫っている』
『誰……!?』

 体は動かないから振り返って背後の人物を確認することも出来ない。私は視線だけでも後ろに向かないかと目を動かす。

『沈黙の時が、すぐ目の前に。……阻止しなければ』
『沈黙……? 阻止……?』

 一体、何を……と思っていると金縛りにあっていた体がふと、動き出す。そこで私は海が目の前に迫っている事に気付いた。
 せめて、飲み込まれる前に誰がいたのか確認しようと振り返るが瞳に映り込む前に海に飲まれた。
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