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hair iron

「あら」
「おはよう、せつな」

 もうお昼だけれど、と笑うみちるを見つめる。みちるは私の視線に気にすることなくコーヒー? 紅茶? と聞いてくる。

「紅茶でお願いします」
「分かったわ」

 キッチンへ向かうみちるを見ながら今日はどこかへ出かける予定でもあったかしら? と首を傾げた。
 2人分の紅茶を持って戻ってきたみちるは私の前に紅茶を置くと向かい側に腰掛けた。みちるが淹れてくれた紅茶を飲みながらお互いの近況だったりを話している中、区切りのいい所で私は問いかける。

「そういえば、みちるは今日どこかへ出かける予定でもあるのですか?」
「ないわよ? どうして?」

 きょとんとした顔で答えるみちるに髪型、しっかりセットしていたので、と返すとみちるはあぁ、これね、と呟いて微笑んだ。

「はるかがいじりたいって言うから」
「……はるかがやったんですか?」
「そうよ?」

 みちるの言葉に思わず聞き返すと彼女は可笑しそうにくすくすと笑った。
 しかしこのような反応になるのは当然ではないだろうか、と誰に言うでもなく私は心の中で呟く。だって、あのはるかがヘアアレンジをさせてくれと頼むなんて。

「前に1度やってみる? って聞いてからたまにこうしてやってくれるのよ」

 みちるはそう言うとその日のことを思い出しながら話し始める。
 なんだか、デジャブを感じるわ、と思いながら私は特に口を挟まずみちるの話に耳を傾けた。
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