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あとがき

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  • 「添倉秀樹は落ち着かない」

    20200321(土)08:35
    イマジナリーフレンドをご存知でしょうか。
    自分だけの、想像上の友達のことです。
    その多くは子供の元にやってきて、歳と共に忘れられ、消えていきます。

    この小説の主人公である秀樹も、子供の頃にシュウというイマジナリーフレンドと出会います。
    しかし二十歳を間近にしても、シュウのことを忘れることができません。
    秀樹は自分のことを「変人」だと自嘲し、他人を避け、シュウ以外の友達を作ることを諦めていました。
    そんな中、先輩の夢野春歌から、我占誠人の話を聞きます。彼はなんとペットボトルを彼女にしているのでした。
    自分以上の「変人」を前に、秀樹は少しずつ他人へ心を開き、シュウの存在を前向きに捉えるようになっていくのです。

    イマジナリーフレンドを持つ人は、他人と上手く関われないのだと思います。
    現実世界の他人では埋まらない心の隙間を、補ってくれる存在。常に自分の味方であり続けてくれる存在。
    人間は他人の愛を糧にする生き物です。
    相手が実在していようといなかろうと、愛されることが重要なのだと思います。
    シュウは秀樹を愛しています。乱暴な口調で、辛辣なことを言いますが、常に秀樹の味方で、秀樹のために一生懸命です。
    そんな素敵な友達とずっと仲良くしていることは、おかしなことなのでしょうか。
    実在していないだけで、大切な友達には変わりないのではないかと、私は思うのです。

    話は変わりますが、今作では、人称をごちゃ混ぜにしてみました。
    秀樹が自分の内側から世界を見ている時は一人称、それ以外は三人称という法則になっています。
    読みにくくなってしまったのではないかと心配なのですが、いかがだったでしょうか。

    長くなりましたが、そろそろ終わりたいと思います。
    更新するたびに見に来てくださった方々、ふと気まぐれに足を運んでくださった方々へ。
    最後まで連載できたのは、読者がいたおかげです。長いことお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
    また他の作品でもよろしくお願いいたします。
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