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バレンタイン2024

〜バレンタイン、前日。ヴァーリの家

ヴァ「さてモージ、おさらいだ。僕は、バレンタインに乗じてホズにチョコを渡し仲良くなりたい。ただ僕は料理がとことん苦手だ。そこで料理の上手い君と合作でお菓子の家を作ろうとしたけれど、なぜか断られてしまった」
モジ「当たり前なんだよな…普通の家一軒分のお菓子の家なんか作るの大変だし、貰っても迷惑なだけだからな…」
ヴァ「ふむ…僕なら喜ぶけどね」
モジ「お前は舌も頭も狂ってるからな」
ヴァ「まあとにかく、そんなわけで一度は頓挫しかけたバレンタイン計画だったが、チョコの作り方を教えるくらいなら協力してやってもいい…というモージのツンデレによって、無事に息を吹き返したわけだ」
モジ「誰がツンデレだ。お前が毎日毎日協力しろって頼んでくるから、面倒臭くて折れただけなんだよ。…一応言っとくけど、俺は作り方を教えるだけだからな。実際に作るのはお前だからな」
ヴァ「ああ、わかっているよ」(白エプロンと三角巾を装着する)「…さて、始めようか。今日は何を作るんだい、先生」
モジ「言ったろ、チョコチップクッキーだよ」
ヴァ「クッキーか!茶菓子の定番だね。僕も好きだよ。しかもチョコチップというところが最強だ。ホズもきっと喜ぶだろうね」
モジ「何で今初めて聞いたみたいな反応してんだこいつ」
ヴァ「今回使う材料はこちらだ。ついさっき、先生と一緒に買ってきたんだ。…ね、先生」
モジ「……もしかしてこれ配信してる?どっかにカメラ仕込まれてる?今日お前の家で作ろうとか言い出したのってもしかしてそのためか…?」
ヴァ「フフ…君は相変わらず面白い発想をするね。料理をするところなんて配信してどうするんだい?料理番組の真似だよ」
モジ「お菓子の家を渡そうとするやつに発想がどうとか言われたくねえ〜…つーかただの茶番かよ…そんなのいいからさっさと作り始めるぞ。材料を量るところからだ。お菓子作りは、普通の料理よりも分量が大切だからな。ちゃんと量れよ?」
ヴァ「ああ。任せてくれ。僕は細かい作業なら得意だからね。1mgも妥協しないと誓おう」(腕捲りしてウィンク)
モジ「まあな…精密な模型とか作ってるもんな…教室で」
ヴァ「ああ。…さて、まずは薄力粉が180g…」(真剣に量り始める)
モジ「…(集中してんな…。ふざけたやつだけど、先輩に美味しいものを渡したいって気持ちは確かなんだろうな…。あー、くそ…俺はこいつからダークマターしか貰ったことないのに…)」
ヴァ「…よしっ。全て分量通りにできたよ、モージ。…モージ?」
モジ「えっ…あ、お、おう…悪い、ちょっと考え事してた…。…って…待て待て待て!」
ヴァ「うん?」
モジ「うん?じゃねえ!なんか無駄な材料増えてんぞ!なんだこのキラキラの砂利!」
ヴァ「砂利だなんて。パイン飴を砕いたものだよ。知ってるかい?パイン飴。美味しいんだよ」
モジ「知ってるわ!パイン飴も美味しいのも知ってるわ!でもチョコチップクッキーに入れる物じゃないんだよ!…で、こっちはなんだ⁉︎このドス黒い色のシュワシュワした液体は…」
ヴァ「コーラとメロンソーダとウーロン茶とカルピスとオレンジジュースとコーヒーを混ぜた物だよ」
モジ「劇物じゃねーか!ここはサ◯ゼリアじゃねーんだよ!これもクッキーに入れようとしてたんじゃねーだろうなまさか!」
ヴァ「そのまさかさ。味のアクセントになりそうだからね」
モジ「なるか!どろっどろの産業廃棄物が出来上がるだけだよ!」
ヴァ「…どろどろ…?なぜ…?」
モジ「なぜってそりゃ水分量が…あーくそ、思考回路どうなってんだこのダークマター製造機…」(頭を抱える)「はぁ…とにかく、俺が言った材料以外は使うな!じゃなきゃもう教えないぞ!」
ヴァ「わ、わかったよ。じゃあこれは片付けておこう」(産業廃棄物の素にパイン飴の砂利を混ぜる)
モジ「ぱ、パイン飴ぇー‼︎‼︎お前なあ!早速プチダークマターを生成するな!その砂利はまだ助かる命だっただろ!」
ヴァ「何をそんなに騒いでいるんだい。コーヒーにシュガーを加えるようなものだろう?見た目はアレだがきっと美味しいよ」(ゴクッ)「ヴッ…!」(慌てて水を飲みに行く)
モジ「やっぱ不味いんじゃねーか!飲むなよそんなの!お前ほんとなんでそんな…ふふっ、バカなん…くくくっ…!」
ヴァ「ふーっ…何がそんなに可笑しいんだいモージ…僕は危うく冥府の扉を開くところだったんだよ…」
モジ「知るかそんなの…!ひぃ…、目の前で勝手に自滅してるダークマター製造機がいるんだぞ…!笑わずにいられるかよ…っ!」
ヴァ「…。もういいから先に進もう。さあモージ、次は?」
モジ「あ、ああ…くくっ…いや、ま、待ってくれ、なんかツボに…っ」
ヴァ「……。デュクシ!」(モジの脇腹に突きを入れる)
モジ「いひぃっ!」(崩れ落ちる)
ヴァ「全く…」
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