お題短編小説
【今回のお題】
・歳の差10・スーパーの店員
・ピラフ・秋葉原・個室
ーーーー・・・・
今日はずっと待ってたアニメのフィギュアの発売日!
ルンルンな気分で秋葉原に行って、早速お宝ゲット!
こんなヲタクな所、誰にも見せられない!
早く帰ろ…。
そう思っていた時、少しボコってた地面に足を取られて転けそうになる。
「うっわっ…!!?」
転ける〜!
…って思ってたけど痛みはない。
「大丈夫ですか?」
上から声が聞こえてギュッと瞑っていた目を開けて誰かに受け止められていた事に気がつく。
「す、すみません!」
急いで体を離してその人を見ると…まさかスーパーで一緒に働いてる10個年上のお兄さんだった。
「あっ…」
お兄さんもこちらに気づいたのか、笑顔で僕に話しかける。
「こんな所で会うなんて珍しいね。
何か買い物?」
にこやかに質問してくる彼に、僕は口籠る。
「えぇっと…」
フィギュア買いに来たとは言えない、ヲタクだとバレたくない…!
そう思ってたのに、僕の願いとは裏腹に、彼は僕の持ってる紙袋を見て何か察した様だった。
「…なるほど、君もアニメとか好きだったんだね。
ねぇ、せっかくだしちょっとそこでお茶してかない?」
引く事もなく、近くのカフェを指差される。
…てか”君も”って言った?もって何?
僕は言われるがままカフェの店内に入っていく。
「ここのピラフ美味しんだよ」
メニュー表を見ながらエビピラフをオススメされる。
「じゃあ、それで…」
彼のペースに乗せられてオススメのピラフを頼む。
このカフェはまさかの個室があるらしく、僕たちは個室に案内されていた。
まぁ、こっちの方が他の人に話聞かれなくて助かるけど…。
「びっくりした、俺もアニメとか漫画好きだからさ、君も同じ趣味だったとは…俺たち気が合うね」
「そう、ですね…」
はぁ、シクッた。
まさか同じ職場の人に秘密を知られてしまうとは…。
しかも僕は仕事の事以外ではそんな話さないのに…。
「君が今日買ったフィギュア、僕も知ってるアニメなんだ。
良いよね、そのアニメ」
にこやかに話す彼に、僕は好きなアニメの話をされてつい熱が入ってしまった。
「そうなんですよ、これめちゃくちゃ良い作品で…!」
あっ…。
そこで我に返る。
恥ずっ!普段静かな奴がアニメで語り出すとかマジヲタク過ぎる!
いや、ヲタクですけどね!?
でも彼はニコニコとして聞いてくれていた。
「いつもは口数少ないからクールなタイプかなって思ってたけど、違うみたいだね。
何だか君の新しい部分を知れて嬉しいよ」
フッと笑いかける彼に、僕は恥ずかしさからかぶわぁっと顔が赤くなる。
「ははっ、色んな表情もできるんだね。
…君の事もっと知りたいな」
「え…?」
彼が僕の頬に手を伸ばそうとした時、丁度店員が来た。
「…食べよっか」
「は、はい」
ピラフをひと口食べてみる。
「美味しい…」
思った以上に味もしっかりしてて食べ応えも量も文句なし。
確かにオススメするわけだ。
僕は自分でも気づかない内に頬が緩んでいた。
「それは良かった。
頬張ってる姿がハムスターみたいで可愛いね。
…ね、この後俺の家に来ない?
もっと君と話してたいんだ」
「!?」
僕はピラフを口いっぱいに頬張りながら彼の言葉で動きが止まる。
何故に僕!?
僕と会話してても何も面白い事ないだろ!
そう思うけど、上手く言葉が出てこない。
「君とこれからもっと仲良くなりたいんだ。
ダメかな?」
首を傾げる彼に、僕は恥ずかしくなって顔を赤くしつつ彼をチラッと見ながら答えた。
「別に…いいけど」
彼は嬉しそうに微笑んでいた。
・歳の差10・スーパーの店員
・ピラフ・秋葉原・個室
ーーーー・・・・
今日はずっと待ってたアニメのフィギュアの発売日!
ルンルンな気分で秋葉原に行って、早速お宝ゲット!
こんなヲタクな所、誰にも見せられない!
早く帰ろ…。
そう思っていた時、少しボコってた地面に足を取られて転けそうになる。
「うっわっ…!!?」
転ける〜!
…って思ってたけど痛みはない。
「大丈夫ですか?」
上から声が聞こえてギュッと瞑っていた目を開けて誰かに受け止められていた事に気がつく。
「す、すみません!」
急いで体を離してその人を見ると…まさかスーパーで一緒に働いてる10個年上のお兄さんだった。
「あっ…」
お兄さんもこちらに気づいたのか、笑顔で僕に話しかける。
「こんな所で会うなんて珍しいね。
何か買い物?」
にこやかに質問してくる彼に、僕は口籠る。
「えぇっと…」
フィギュア買いに来たとは言えない、ヲタクだとバレたくない…!
そう思ってたのに、僕の願いとは裏腹に、彼は僕の持ってる紙袋を見て何か察した様だった。
「…なるほど、君もアニメとか好きだったんだね。
ねぇ、せっかくだしちょっとそこでお茶してかない?」
引く事もなく、近くのカフェを指差される。
…てか”君も”って言った?もって何?
僕は言われるがままカフェの店内に入っていく。
「ここのピラフ美味しんだよ」
メニュー表を見ながらエビピラフをオススメされる。
「じゃあ、それで…」
彼のペースに乗せられてオススメのピラフを頼む。
このカフェはまさかの個室があるらしく、僕たちは個室に案内されていた。
まぁ、こっちの方が他の人に話聞かれなくて助かるけど…。
「びっくりした、俺もアニメとか漫画好きだからさ、君も同じ趣味だったとは…俺たち気が合うね」
「そう、ですね…」
はぁ、シクッた。
まさか同じ職場の人に秘密を知られてしまうとは…。
しかも僕は仕事の事以外ではそんな話さないのに…。
「君が今日買ったフィギュア、僕も知ってるアニメなんだ。
良いよね、そのアニメ」
にこやかに話す彼に、僕は好きなアニメの話をされてつい熱が入ってしまった。
「そうなんですよ、これめちゃくちゃ良い作品で…!」
あっ…。
そこで我に返る。
恥ずっ!普段静かな奴がアニメで語り出すとかマジヲタク過ぎる!
いや、ヲタクですけどね!?
でも彼はニコニコとして聞いてくれていた。
「いつもは口数少ないからクールなタイプかなって思ってたけど、違うみたいだね。
何だか君の新しい部分を知れて嬉しいよ」
フッと笑いかける彼に、僕は恥ずかしさからかぶわぁっと顔が赤くなる。
「ははっ、色んな表情もできるんだね。
…君の事もっと知りたいな」
「え…?」
彼が僕の頬に手を伸ばそうとした時、丁度店員が来た。
「…食べよっか」
「は、はい」
ピラフをひと口食べてみる。
「美味しい…」
思った以上に味もしっかりしてて食べ応えも量も文句なし。
確かにオススメするわけだ。
僕は自分でも気づかない内に頬が緩んでいた。
「それは良かった。
頬張ってる姿がハムスターみたいで可愛いね。
…ね、この後俺の家に来ない?
もっと君と話してたいんだ」
「!?」
僕はピラフを口いっぱいに頬張りながら彼の言葉で動きが止まる。
何故に僕!?
僕と会話してても何も面白い事ないだろ!
そう思うけど、上手く言葉が出てこない。
「君とこれからもっと仲良くなりたいんだ。
ダメかな?」
首を傾げる彼に、僕は恥ずかしくなって顔を赤くしつつ彼をチラッと見ながら答えた。
「別に…いいけど」
彼は嬉しそうに微笑んでいた。