僕の幼馴染の家族とは家族ぐるみの付き合いだ
僕 「あ~っと・・・」
幼馴染「えと・・・その・・・」
僕 「こほん・・・まずは現状確認から、しようか・・・」
幼馴染「あっ・・・うん、わかった・・・」
僕 「目の前のこれは何だろう?」
幼馴染「えっと・・・布団だね、うん・・・」
僕 「うん、枕も二つちゃんとあるのに、何でだろうね?」
幼馴染「・・・」
僕 「布団が何で一つしかないんだろうね?」
幼馴染「同じ布団で寝るしかない・・・ね?」
僕 「うん、まず父さんぶん殴ってからでいいかな?」
幼馴染「うん、ちょっと待ってね?」
僕 「何故止める?あの段階も踏まず、とにかくくっ付けようとする姿勢が気に喰わない」
幼馴染「段階を踏んだら良いのかい?」
僕 「いや、それは・・・」
幼馴染「・・・どうなんだい?」
僕 「そうだね・・・そろそろ年貢の納め時・・・なんだろうね」
幼馴染「・・・」
僕 「僕は・・・いいと思ってる」
幼馴染「!」
僕 「でも、こんな流されてるような現状なダメなんだ」
幼馴染「?」
僕 「君を守れるような立派な男になってから告白しようと思ったんだ」
幼馴染「・・・バカ」
僕 「え?」
幼馴染「ずっと待ってたのに、そんな理由かい?」
僕 「そんなって・・・酷いな僕なりに真剣n・・・待って・・・た?」
幼馴染「っ!?く、繰り返すな!そ、そうさ・・・ずっと待ってたんだ・・・」
僕 「えと、そ、そうなんだ・・・」
幼馴染「ぼくは、守ってなんて頼んでないぞ!」
僕 「これは僕なりのけじめだと思ってくれればいい」
幼馴染「・・・守ってもらう、じゃないんだ・・・」
僕 「え?」
幼馴染「僕は!そういうのじゃなくて!隣に居たいんだ!」
僕 「隣・・・?」
幼馴染「守ってもらうとか、守るじゃなくて!僕は、僕は!」
僕 「・・・」
幼馴染「ずっと、傍に居て欲しいだけなんだ・・・」
僕 「・・・それは・・・・・・」
幼馴染「家が狭くたって良い、ボロくたって良い、
裕福な暮らしじゃなくて良いんだ・・・
君が傍に居てくれるだけで良い、いや、
君が傍に居てくれなきゃダメなんだ・・・」
僕 「こんな、情けない僕で、いいの・・・?」
幼馴染「情けなくないし、君しかいないんだ」
僕 「そうか・・・僕は遠回りしてたのか・・・」
幼馴染「とんでもない大回りだ!バカ者め・・・」
僕 「ははは、そっか・・・」
幼馴染「・・・」
僕 「じゃあ、改めて誓わせてくれ」
幼馴染「ん?何をだい?」
僕 「僕という1個人としての身勝手な誓いだよ」
幼馴染「ん、さっきの守るとかだったら怒るからn、わあ!」
僕 「ははは、もう真っ赤だ」
幼馴染「あ、当たり前だ!いきなり抱きしめるなんて」
僕 「ごめんごめん、我慢できなくなった」
幼馴染「こういうのは段階を踏めって言ったのは君のほうだぞ!」
僕 「そういえば、確かに・・・でも段階は結構踏んだんじゃない?」
幼馴染「な、何が・・・」
僕 「お互いの心に秘めたものを吐き出して、お互いの気持ちを確かめ合って」
幼馴染「なっ!?あ、あれはその・・・」
僕 「そして、ここに結論を得た、って大丈夫?」
幼馴染「だ、大丈夫じゃにゃい・・・一回離しぇ・・・」
僕 「ご、ごめん!そんな力込めた気は無かったんだけど!」
幼馴染「力加減がどうこうじゃにゃくて、刺激が強しゅぎにゃんだ・・・」
僕 「え?」
幼馴染「・・・ふぅ、こちとらどれだけ片思い続きだと思ってる!
そんな生娘に何てことするんだ!」
僕 「生娘って、自分で言うのかい?」
幼馴染「う、うるさい!自分でも混乱してるんだ!ばか!」
僕 「あはははは!ごめんごめん」
幼馴染「むぅ・・・あ、そういえば」
僕 「どうかした?」
幼馴染「さっきの誓いって何を誓ったんだ?」
僕 「ん?ああ、例え死のうが生きて傍に居るってだけ」
幼馴染「矛盾しているようだが、そうだな傍に居てくれ、ずっと・・・」
僕 「うん・・・ずっと」
自然と二人は二人で床に入り、抱き合って眠りに落ちた。
その寝顔は両方とも失くしていた自身の半身をやっと見つけたように、安らかで幸せそうだったらしい。
この時二人は気付かなかったが扉の前で盗み聞きしていた双方の両親は、
ニヤニヤしたと思えば、若いな~と微笑み、最後は子供の成長に泣いたりと、
けして息子と娘には見せられないだろう姿を周りに晒していた。
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