僕の幼馴染
僕 「何だって君は怖がりな癖に怖い話なんて見るかな?」
幼馴染「ボクは怖がりじゃない!」
僕 「じゃあ、何だってこんな夜遅くに僕んちに来たのさ?」
幼馴染「幼馴染に会いに来るのに何か理由が必要なら、そうだな・・・君の顔が見たくなったから、とかどうかな?」
僕 「へぇ?それは光栄な話だけど・・・じゃあ、さっきからそわそわしているのは?
ハッキリ言ってしまえば、窓や扉、後は後ろの方を気にしているのは、なんでかな?」
幼馴染「うんと・・・えっと」
僕 「そして、僕も見てたけど、今夜の心霊現象特集、君はまさか見てないよね?」
幼馴染「む~・・・ああもう!見たよ見せられたさ!怖かったし、他に頼る所もないからここに来たよ!何か文句でも!」
僕 「いや文句も一つくらいは出るさ」
幼馴染「むう・・・迷惑なのはわかっているさ・・・」
僕 「迷惑って程でもないけどさ・・・君と僕の仲だしね」
幼馴染「そう言ってくれると少しは僕も救われるけど・・・」
僕 「と言うか、何個か質問があるんだけどいい?」
幼馴染「ああ、いいとも」
僕 「一つ目、まず、見せられたってのは?」
幼馴染「お父さんが少し酔ってしまってね・・・
酔いのノリなのかテレビをつけた時に、その・・・やっていたんだ
し、心霊特集が・・・」
僕 「なるほど、それで?」
幼馴染「まあ、君にはもうバレてるし良いか・・・
僕が苦手だと知っているから、怖がらせる心算だったんだろうさ」
僕 「まあ、見事に怖がってここに来たんだけどね」
幼馴染「うっ・・・それは言わないでおくれよ・・・」
僕 「ははは、まあまあ、それじゃ、二つ目、一つ目と関連ありそうだけど、他に頼る所はあるんじゃない?
家には居ずらいかもしれないけど、友達の所とか」
幼馴染「あまり、友達といえど、僕が怖がりだと知られるのは、その、少し恥ずかしいし・・・」
僕 「だからって、こんな野郎のとこなんかに来なくても・・・それにもういっそのこと、バラしてしまえばいいんじゃない?」
幼馴染「僕の事を知った知り合いは、皆一言一句たがえずに可愛いと言ってくるんだ・・・
それもなんだか居心地悪いんだよ?それに友達の家に行くとしてもここから遠いし」
僕 「・・・まあ、家隣同士だし近いけどさ」
幼馴染「家が隣同士だから、と言うのもあるが、君の事は信頼してるからね」
僕 「信頼は純粋に嬉しいけどさ・・・」
幼馴染「まあ、いいじゃないか、それに君の顔が見たくなったというのも嘘じゃないんだよ?」
僕 「む?んと・・・それもうれしいけどさ」
幼馴染「はは、顔が赤いよ?どうしたのかな?」
僕 「う、うるさい!まったく怖がって僕の所に来たのは何処の誰だい!」
幼馴染「うっ、それは言ってくれるなと言っただろう!?」
僕 「はあ・・・それはさておき、どうするんだい?」
幼馴染「ん?どうするとは?」
僕 「もちろんここに泊って行く訳にはいかないだろう?」
幼馴染「僕はそのつもりだったんだが・・・」
僕 「さすがに、幼馴染とは言っても、僕だって男なんだよ?」
幼馴染「それぐらいは知っているつもりだけど?」
僕 「僕が気でも狂って襲い掛かったらどうするんだい?」
幼馴染「え!?そ、それは・・・永久就職でもさせてもらうしかないかな?」
僕 「ちょっと!?いや、変な事聞いたのは、僕だけどさ!」
幼馴染「ま、まあ、いいじゃないか・・・」
僕 「まあ、ちょっとお互い落ち着こうか・・・」
・・・
僕 「わ!」
幼馴染「!?何だい?いきなり大声なんか出して?」
僕 「ご、ごめん!?な、なんでもないよ!うん・・・」
幼馴染「なんでもない訳ないだろう?怒らないから言ってみなって?」
僕 「・・・い、やね?君の後ろに何か見えたなと思って、ずっと不思議に思っていたんだけど」
幼馴染「・・・まさか、だよね?」
僕 「そのまさか・・・かな?」
幼馴染「ヒっ!?」
僕 「ってうわ!?ちょっと抱き付かないで!」
幼馴染「い、いやだ!今は駄目!無理!」
僕 「ちょっと!苦しいからちょっとだけゆるめて!」
幼馴染「う~あう~ひぅ、グスン・・・」
僕 「泣くほどかい・・・」
幼馴染「もうお化けいない?」
僕 「うん、もう見えないよ(っていうか・・・キャラが凄い崩れてるよ)」
幼馴染「ほんとに?」
僕 「大丈夫、しかし、これはもう帰れそうにないかな」
幼馴染「無理」
僕 「だよね」
こうして、二人はガクブルしながら二人で寝むりについた。
次の日、一線超えてしまったカップルのごとく、
顔を背けながら真っ赤になっていたのは、二人だけの秘密になったそうな。
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