転がって魔術学園
目が覚めた。
「!?」
と、慌てて飛び起きると、頭に何かが激突して、元の柔らかい何かに戻る事になった。
「痛ぇ・・・」
「痛い・・・」
「え?」
「?」
目が覚めたら幼女に膝枕されてました。少しボロっぽいローブを着ているが、
汚れ一つ無い白髪が覗き、綺麗な金色の瞳と病人か?と思うような青白い肌が上に見える。
ドクンと、まだ薬が切れてなかったのか、
体が少し熱くなった。
「(待て!待て!待て!待て!こんな幼女に欲情するのは、人として不味い!)」
「どうかした?」
と、目の前の幼女がコテリと首を傾げながら話す声にまでドキッとしてしまう。
「(よし待て・・・ステイステイ俺ステイ・・・落ち着け、クールになれ・・・ってか、幼女の膝枕柔らけぇ・・・
って!違う、違うぞ!紳士だ!俺は紳士なはずだ!落ち着け落ち着け・・・ふぅ・・・)」
と、内なる魔物と戦闘していると、
「もう大丈夫っぽいかな」
「ウン、大丈夫カナー・・・ってそうだ!あの女!・・・って、
ベットに連れ込まれてないって事は大丈夫だってことだよな?」
「何が、あったかは、聞かなくていい?」
「ああ、ここからはR-18ゾーンだからな」
「?まあ、いいけど・・・」
「んじゃ、失礼?よっとっと・・・」
名残惜しいが、頭を起こして辺りを見回すと、ついさっき走って来た道の近くの路地裏に寝かされていたらしい。
「重かった」
「その節はどうも・・・おかげで喰われずに済んだ」
「その女の人・・・まあいいか」
「えっーと、重ねてありがとう、助かった・・・」
と、頭を下げる
「いいよ・・・気が向いただけだし・・・」
フルフルと首を横に振る。
「ああ、探しに来てたら怖ぇし、ささっと、帰るかね」
「そう・・・じゃあね」
「おう、そっちもな、そろそろ暗くなってきたみたいだし」
「大丈夫・・・」
とそのまま、立ち去ろうとし、
「あ、そうだ・・・これ、あげる」
と、小さなメダルを投げてきた。
「?何これ?」
「・・・んー、魔除けみたいなもの?」
「魔除け・・・まあ、いいや、サンキュー」
違う魔にも聞いてくれたらなお良いが、気休めにはなるだろう
「ん、また気が向いたら、助けてあげる」
「お、おう、そん時は頼むわ・・・」
「ん、また、ね?」
と言い終わると同時に、小さな背中がすっと路地裏の暗がりに消えていった。
「・・・なんだろう・・・あの幼女(汗)」
そして、手を開いてもう一度メダルを見る・・・
真ん中に燃える目のような紋様がある五芒星のメダルを・・・