転がって魔術学園 3章
日ノ丸家についた斎賀は過去のトラウマのある部屋に案内された。
「ここで少々お待ちください」
「待って!ここで待ってていい思い出n「では」あーチキショウ!!」
だだっ広い和室にまたもや放置された斎賀はとりあえず帰るよう
腰を持ち上げたのだが・・・その瞬間後ろのふすまが開いた。
「君が華名の旦那さんかい?」
後ろには首から上はworkingの音尾さん、
首から下はケンシロウのような人がピンク色のエプロンを着ながら
かわいい鍋掴みを付けながら部屋にやってきた。
あまりのギャップに浮かせた腰を落としてしまった。
「あ、もう少しで僕が作ってたくっきいができるから待っててね・・・
と言っても焼き加減を見てくれてるのは華名だけど」
「あ、えっと・・・ありがとうございます」
「どういたしまして・・・僕の名前は日ノ丸千夜(せんや)、
ところで君の名前は僕たちと似ているけど親戚の隠し子だったりするのかい?」
「違います・・・多分」
「そうか・・・ごめんね変なこと聞いて、それじゃそろそろ焼けたと思うし見てくるよ」
「あ、はい」
そういうと千夜は台所へ歩いて行った。
斎賀は終始唖然としていた。
どう見ても体のバランスを間違えたかのような感じだった。
違和感だけが残る見た目に思考は完全に止まっていた。
すると後ろから前に聞いたことのある声がした。
「さ、斎賀さんですか?」
振り向くと見たことはあるけど名前が出てこない女の子が立っていた。
「誰だっけ?」
「綾目です・・・同じクラスの」
「あー、いたね」
返しとしては最低なことを口走って、
最初の自己紹介以来名前すら聞いてなかった彼女の存在を思い出した。
しかし、ぶん殴られてもおかしくないことを口走った俺だが気を悪くした素振りもなく、
「えっと、お母さんが今日は泊まっていきなさいって言ってました」
「え!?」
過去の出来事があり冷や汗が垂れる。
間違いなく食われるかもしれない、華名に。
そんな考えがよぎった。
「いや、いいよ」
「遠慮しないでください、こう見えても私この家で一番お料理が上手ですから」
「あ、いや・・・そういう事じゃなくて・・・」
「だめ・・・ですか?」
「う・・・・・」
綾目が斎賀を上目遣いで見上げる。
(卑怯だろそれは・・・)
斎賀は結局今日は止まっていくことにした。