転がって魔術学園 2章
「マジ、あんなの二度と御免被りたいよ畜生が・・・」
目が覚めて、華名伝言聞いての感想はこれに尽きる。
二度と会いたくもない。
「すみません、旦那様・・・不肖の兄がご迷惑を・・・」
と、華名が本当に申し訳なさそうに頭を下げる。
「あれに関してだけ言えば・・・うん、華名は悪くないって」
と、一応励ましておいた。
「とりあえず、依頼、と言うかスケッチは斎賀君が倒れている内に済ましておいたから、斎賀君さえよければ帰れるよ?」
「スマンが、一人で歩くのは無理そうだから、ゼファー、肩借りていいか?」
「ん?ああ、いいy「私に任せてください」・・・だってさ?」
「いや、まあ借りていいなら借りるけど・・・」
「夫を支えるのも妻の務めです!」
「あ、う~ん・・・まあいいか」
「それなら別に私でも」ボソッ
「ん?何か言ったか?リア」
「いえ?何にも?」プイッ
何故か少しリアの機嫌が悪くなったような?
「それにしてもさ~?」
とゼファーが切り出す。半ば予想しているがどう答えるか迷ってしまう
「良く死ななかったね?」
「確かにそうね・・・」
「流石旦那様です!」
「ん?ああ、ほんとになんで死ななかったんだろうな?」
「あの壁に叩きつけられた時に普通の生徒だったら、3回は死んでてもおかしくないんじゃないかしら?」
「あと、あの後にさ、右手が光ってたけど、あれはどういうルーンなんだい?」
「あと兄様の青龍と真正面から打ち合って刃こぼれ一つしてないこの刀は一体?」
結構長く続きそうな質問攻めだったので、
「とりあえず帰って腰を落ち着けてから話すよ」
と、一時的にだがお茶を濁しておくことにした。
そんな訳で本来であれば簡単なミッションだったのだろうが、
随分疲れたというかむしろ死にかけた訳だが、無事?初ミッションクリアという訳で、帰ることにした。
ちなみに、道中は不自然なほど鳥や動物どころか、虫の一匹すら会わなかったが、何事なく無事帰還はできた。