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転がって魔術学園 2章


「とはいえ、普通に戦っちゃそっちさんのリーダーは死んじまいそうだからな・・・
ハンデとして俺に一つでも傷が出来たら勝ちでいいぜ」

「いやどっちにしろきついことに変わりないんですけど!?」

「よっしゃ行くぜえ!!」

言葉と同時に地を蹴った泰河はものすごい速度で斎賀に突進する。
それを間一髪で刀で受け止めるが、衝撃は逃げす吹き飛ばされる。

「おらどうした!!こっちはまだ本気のほの字も出してねえぞ!!」

吹き飛んだ斎賀に追いつき掴むと、顔を殴り首を掴みそして地面にたたきつける。

「ぐあ!!」

「そらそら!!このままじゃ俺は人殺しになっちまうぜ!!」

たたきつけられた地面にはクレーターが出来ており、泰河の強さを物語っている。

「こいつぁあ避けないとぺったんこのお好み焼きになっちまうぜえ!!」

壁を破壊し、その中から最も大きい瓦礫を地面にめり込んだ斎賀に
叩き下ろそうとしていた。

「嘘だろ・・・」

「それが嘘じゃあないんだなあ!!華名の旦那様よお!!」

泰河の体の数倍ある瓦礫を振り下ろす。
辺りには砂塵と轟音が飛び、辺りを震わす。

「旦那様!!」

華名が叫び泰河を睨む。

「部外者は戦闘終了まで口を出すな」

「もう勝負はついているじゃない!!」

リアは剣を抜き泰河と対峙する意思をむき出しにしている。

「残念ながら俺はまだ奴の死体を確認してないからなあ・・・」

「死体って・・・殺す気だったんですか!!兄様!!」

「残念ながらありを潰さずに踏むのは難しいんでなあ・・・ん?」

泰河が何か妙な気がした。
その感は当たり、先程振りかざした瓦礫がかすかに揺れている。

「やっぱり戦いには楽しめるようなどんでん返しが必要だよなあ!!華名の旦那様よお!!」

とどめを刺すように瓦礫掴みとどめを刺そうとした瞬間、地面にたたきつけられた瓦礫も
とどめを刺すように手に持っていた瓦礫も消し飛んだ。
そこには手の甲が光った斎賀がボロボロの状態で立っていた。

「やっぱり、最初見たときに思ったんだ!!こいつあトンデモねえ力を持ってるってなあ!!」

「華名の兄様や・・・殺しちまったらすまんな・・・今の俺は頭の辞書から理性って言葉が死んじまったらしい」

さっきの泰河を上回るほどの速さで泰河に近づき刀でたたききる。
しかしメリケンサックで防がれてしまう。

「そうだ!!それでいい!!もっと楽しませろ!!全身の血が逆流しそうなほど血を滾らせろ!!」

「安心しろ、今の俺は容赦無い!!」

刀とメリケンサックが互いに弾きあう音だけがこだまする。
泰河が引き連れてきた軍勢も斎賀の仲間も互いに息をのむ。

「華名の旦那様よお・・・貴様は戦いの綺麗な終わらせ方って何だと思う?」

「急になんだ」

互いに武器を弾きあっている中泰河が質問をする。

「それはなあ!!片方が血も肉も骨も朽ち果てることだ!!わかるか!!」

「意味が分からん、お前は戦いに取りつかれ過ぎておかしくなったのか!?」

「いや違うな!!こいつあ人間が持つ原始の考え・・・本能なんだよ!!」

斎賀の一瞬のスキを突き鳩尾に膝蹴りを入れる。
斎賀の体は浮き、視界は霞み、頭が考えるのを辞める。
しかしここで止まれない、そう本能で考えた斎賀は薄れる意識と相反して
今まで以上の速度で刀を振った。

「そうだ!!それが貴様の本能だ!!原始の本能だ!!」

頬に付いた切り傷をさすりながら嬉しそうに笑う。
その光景を最後に斎賀の意識は消える。

「華名、貴様の旦那に伝えておけ・・・またいつか本能からくる衝動をぶつけ合おうってな」

「兄様!!」

「さあ!!野郎ども!!引き上げるぞ!!」

『ういっす!!』

ゾロゾロと去っていく泰河の軍団を尻目に華名とリアは斎賀を介抱する。
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