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転がって魔術学園

津田斎賀(つださいが)はある日思った。
異世界なんて物はあっても行けない、
行けても選ばれたごく少数だけだ・・・と。
決して自分のような人間は選ばれないと・・・。
しかし。

「運命って怖いね、クソッタレが」

とある事情と私情により、
空に浮かぶ島「イウルヴェンバ」に
飛ばされてしまった。

「そこの少年、助けてくれてありがとう!」

深々と帽子をかぶった身なりの良い紳士が
ズタボロの斎賀に握手を求める。

「あーいや、これは不慮の事故と言うか青天の霹靂というか・・・」

自分自身助けようとして助けたのではないため、何とも言えない微妙な感じがする。
何があったかというと、
坂を転がり何かにぶつかった気がしたが
それはモンスターらしく、
斎賀が体にあたったモンスターは
一目散に逃げて行ったとか。

「それでも私にとっては恩人だ、
 君に何かできる限りの恩返しがしたい、
 少し付き合ってはくれないか?」

紳士パワー全開のスマイルに斎賀は・・・

「あ、はい」

完全に意志と関係なく肯定の返事が出た。

「よかった、それでは馬車に乗ってくれ、
 君のことを教えてほしい」

ニコニコとした紳士スマイルが
状況の呑み込めていない斎賀には
まるで太陽のように輝いて見えた。

「いったいどうしてこうなったんだよ、
 教えてくれよグーグル先生」

きっとグーグル先生でも
わかりませんの一点張りだろうが、
今の斎賀はそれでもすがりたい気持ちだった。
事のすべては数分前、
とある学校の通学路が始まりだ。
津田斎賀つださいが
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