転がって魔術学園
こうしてドタバタと忙しく過ごし、入学式当日。
一般の入学生は自宅から通学し、今日から寮生活だったり、
そのまま自宅からだったりする訳だ。
何故か、一足先に寮の部屋にお邪魔している俺だけど(コネって怖いよね?)
遅刻はしなくて済みそうだし、
のんびり必要なものをアリステレータさんに
用意してもらったバックに詰め込んで部屋を出ると、
アリステレータさんがいた、
噂をすればって奴だろうか?
「やあ、おはよう」
「おはようございます」
「起こしに行こうかと思ったんだが杞憂だったみたいだね」
「流石にお世話になってるのに問題を起こす、なんてことはしたくないですからね」
「うむ、もうすぐ時間だから、あっ、クラスは1-Aだから迷わないようにね?」
「ありがとうございます。じゃあ」
「うん、行ってらっしゃい」
「…はい、行ってきます」
「…私に、孫がいたら…あんな感じなのかな?なんてね…」
「今、何か言いました?」
「いや、何でもないよ」
アリステレータさんが何か言った気がするが、気のせいか?
そしてクラスについた時の俺の感想
「うわー・・・」
この一言に尽きる・・・
いや、ファンタジーっぽいな~とは思ってたさ・・・
うん、まんまファンタジーっすわ~・・・
羽根つき角付きしっぽ付き、
猫、蜥蜴、狼と・・・
なんだあれ?悪魔?まあいいや、多種多様だ。
ああ、人間いたわ、安心したけど、なんだろう・・・
あの黒髪見てると不安にもなる。
嫌、あの女じゃないんだが、似てる、
警戒した方がいいかな・・・?
と、突っ立ったまま考えていると、
「おはようございます。
現在、席順は出席番号順ですので、廊下側から座って下さい」
ときちっとした感じの女の人が入ってきた。
銀髪メガネ…いい仕事だ…ってじゃねぇや…
「改めて、おはようございます。」
「「「おはようございまーす」」」
「…このクラスの担任となりました。
リーン=ベルナ―です。よろしくお願いします」
「それでは、まずは…1番の人から、お願いします」
「はい、え~っと、ベルン=アルテクスです。趣味は―――――
とはじまり、順番が来て、
「あ~、津田 斎賀です。アレ?斎賀 津田かな?です。
え~っと趣味と言えるか分かりませんが…
料理は得意な方です。よろしくお願いします。」
と無難に終わらせておく。
そして、気になる黒髪の子(警戒)の
自己紹介の番が来て、
「あの、えっと…日ノ丸綾目です。
あう…趣味は、その…編み物とかが得意です。よろしくお願いします。」
何やら、めっちゃおどおどしつつ、自己紹介をしている女の子は、どうやら、アヤメと言うらしい。
そしてやっぱりというか、デスヨネーと言えばいいか、日ノ丸だった。
う~ん、同じ苗字なだけだと思いたいが、無いわな・・・
なんか、赤い顔でこっちチラチラ見てくるし、何でだろ?
もう情報あっちで共有されてるとかか?
アヤメ目線
津田さんか~髪とか見た感じ、同じ日本ってとこの人だよね?
仲良くなれるかな~?出来たらいいな~
と、まったく事情も知らない訳で、
勘違いなのだが、警戒レベルを引き上げている。
と言う感じでクラス交友会が終わり、割ともとの世界と変わらない…
「え~、アリステレータ校長先生は、
体調が優れないため、代わりまして、教頭先生があいさつを行ないます。礼。」
校長居ないし…朝あった時は平気そうだったんだけどな~?…
とまあ、少しハプニングらしきモノもあったんだが、何事もなかったように進み、初日が終わった。
食事やお風呂を済ませ、寮のベッドに寝転がり、
明日は何が起きるだろうか?と思考を巡らせ、
微睡みに身を任せて、深い眠りに落ちて行った。