ショート☆ショート

「暑いです……」
「暑い暑い言うな。余計に暑くなる」
「スケートしませんか」
「あ? スケート?」
「絶対涼しいですよ。ね? スケートしませんか」
「するっつってもどうするんだよ」
「決まってるじゃないですか。貴方がするんですよ」
「俺? ……ああ……いやいやそういう使い方じゃあねぇから」
「そういう使い方もありでしょう? ね? やりませんか、スケート」
「……どこでやるんだよ」
「まずはこの部屋を全部氷漬けにしましょう。物は試しです」
「いやいやいやいや!? お前何考えてんだ!?」
「まずはこの部屋からです。この部屋で成功したら廊下を全部凍らせましょう。そうすればスケート場ができるはずです」
「落ち着けお前! 暑さにやられてんぞ!」
「僕は落ち着いています。楽しそうでしょう? 部屋の中でスケートなんてできるものじゃないですよ。さぁいざ」
「いざ、じゃあねぇよ! 意味不明だよ!」
「お願いしますよギアッチョ。貴方にしか出来ないことなんですよ。貴方にしかこんなこと頼めません」
「……そりゃあそうだろうが」
「ね、お願いします。僕を甘やかしてくださいよ」
「……」

「おおー凄い……ツルツルですね!」
「危ねぇからどこか掴まっとけ滑るぞ」
「む、じゃあ貴方に捕まっておきますね」
「お、おい」
「あー涼しい。冷たい……ありがとうございますギアッチョ」
「はぁ……惚れた弱みか……」
「滑りましょうギアッチョ! GO!」

この後めちゃくちゃ怒られた
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