そして、この日がやってきた……。

「なんで我が家でやるんだ」

はぁっと溜め息をつく承太郎を気にせず事は進んでいった。上の姉ふたりは楽しそうに見守っているし、スピードワゴンが乱入してきたし、なおかつ、当の二人はこの戦いしか見えていない。周りを気にしていない。どうしてこうなったのだろうか。それは前回のゲーム大戦のせいである。テレンスのコースカットにより負けた花京院は悔しさを胸に再戦を挑んだのだった。

「まぁ楽しいし良いんじゃあないかしら」
｢次はこれだ……ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトルッ！！｣

花京院がスッと取り出したのはジョジョの奇妙な冒険オールスターバトルであった。

｢で、でたー！！ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトル！！去年の夏発売し、いくつかのパッチなどを通し改善されていったゲーム！ジョジョの主人公、歴代ボスはもちろん＋αもいたキャラゲー！そして黄金体験boxには空条承太郎フィギュアなどの特典付きの｢スピードワゴンうるさいわよ！｣｣
｢露骨な宣伝だねぇ｣
｢もろメタ発言じゃあねぇか｣

スピードワゴンのメタ発言は置いておいて、自信満々にASBを掲げた花京院を見てテレンスはフッと口角を上げた。

｢良いでしょう。何度やっても同じです｣
｢どうかな……？｣
｢なんで家にPS3があるんだ｣
｢仕様よ｣
｢メタ発言だねぇ｣

のんきな姉はほっておいて、いよいよ、戦いが始まる。

(二度とあの惨めな花京院に戻るものか……！)
｢なら私はDIO様を使いましょう｣
｢僕は僕を使わせてもらおうか。勝負は一回戦のみ。制限時間は99秒だ｣
｢望むところですよ｣

使うキャラクターを決めたところで戦いは始まった。場所はもちろんカイロ市街。

｢ふっ、原作通りいけばここで私の勝ちですが……｣
｢どうかな……？このゲーム僕は相当やりこんでいるからな｣
｢なに……！今なんと｣
｢二度言う必要はない｣

そして戦いの火蓋が切って落とされたッ！！！