joy!

優しくって、賢くて可愛くって綺麗な私のねぇさんジョナサン。憧れてる。いつか、あんな淑女になりたいなんて思ったり。でも、やんちゃではしゃぎ回ってる私には程遠いのかも。

「ジョセフにしては静かだね。どうしたの?」
「……あ、ねぇさん。ちょっと考え事よン……」

やっぱりシーザーもあーゆーおしとやかな淑女系が好きなのかしら?
あの出会いはきっと奇跡で運が良かったとかラッキーだったとかそんな感じだったんだよね。そりゃいきなりイケメンに話しかけられたんだからビックリしちゃったしトキめいたし……まさかこんな仲良くなるなんて思ってなかったし。気づけばドキドキしてて、恋なんだなって思った。つまりフォールインラブってやつ?それから空回りするしシーザーはスケコマシだからナンパ程度なんだろうなぁ。私なんて。

「んー!?卑屈になるなんて私らしくない!」
「そうそう。ジョセフは笑ってた方がずっと素敵よ」

コトリと私の前にココアが置かれる。そーゆー気遣いができるのもやっぱり私との決定的な違い、かな?

「だよねぇー……はぁ……」
「悩み事?」
「ねぇさんには程遠い悩みよ……」
「あら……何かお手伝いできないかしら?相談ぐらいには乗れるけど?」
「……ねぇさんはどうしてそんなに綺麗なわけ?」

ここは思い切って聞いてみることにした。何か解決になるかどうかは置いといて聞いてみようかと思ったの。

「え?ジョセフも十分綺麗よ?」
「そうじゃあなくて……その、性格とか立ち振舞いよ。ねぇさんすっごく綺麗じゃない?私なんかとは比べ物にならないって言うか……」

うまく言葉にできなくてもどかしい!どうもねぇさんには自覚がないらしい。なるほどディオが困るわけだ。本当に他人には鋭くて自分には鈍いのね。とにかくねぇさんは立ち振舞いから気配りから全部キラキラ輝いて見えるのに、私が同じことしようとすると空回りと失敗ばっかりで。お皿割るし、慣れないことするとこけちゃう。手先は器用な方なんだけどなぁ……なんで?やっぱり慣れとか?

「う?うーんそうね……私が綺麗かどうかは置いといてジョセフだって十分綺麗になれると思うし、いきなりどうし……あ」
「?」

ねぇさんは何かに気がついたように呟いた。クスクスと笑ってるんだけど……。

「そっか……そう言うことか。ジョセフってば恋しちゃってるんだねぇ」
「ぶはっ!?げほっげほっ」

思わぬ回答にココア吹き出しちゃった!ビックリした~……正解なんだけどいきなりこうも当てられるとなぁ……。

「大丈夫?もしかして……図星かな?」
「まっ、まぁ!?えっと、あのそのうーん……うん……当たり」
「そう……なら大丈夫。ジョセフはキレイになるよ」

観念して肯定したら返ってきた答え。隠しても伝わらないんだから……もう。で、どう言う意味なの?

「無理に私を目指すんじゃあなくて自分らしさを目指せばいいんだよ。シーザー君だってきっとそれを望んでるから」
「私らしさ……?って!なぜその名前を……!」
「うふふ、長女だけが持つ魔法だよ」

にこりと笑うねぇさんは可愛くって直視できなかった。
91/98ページ
スキ