joy!
「花京院、ヒトデだぜ」
「承太郎ヒトデ好きなの?」
「あぁ」
見て回っていると承太郎はヒトデを見つけて駆け寄る。水槽の中では石に張り付いているヒトデが二、三匹。
(そういえば承太郎のカバンにヒトデ付いてたよなぁ……。あとイルカ。あれを見たときはギャップ萌えを感じたな……)
「?花京院?どうかしたか」
「いや、ちょっと考え事。ヒトデ可愛いね」
そんなこんなで回っていると、イルカショーの案内のアナウンスが流れる。
「イルカショー、見に行こうか」
「行く」
即答した承太郎。楽しそうで何よりだなぁとしみじみ思う花京院であった。水族館は少し薄暗いからお互いの表情がわかりにくく、表情が伺えない分すこし残念だな、と花京院は思った。
「承太郎は本当に水族館が好きなんだね」
「ああ……好き」
暗くてよく見えなかったが普段とは違う笑顔だったのはなんとなく花京院に伝わった。承太郎を見て花京院は頬が熱くなるのを感じたのだった。
「ほら、もうすぐ会場つくぜ」
「あ、ホントだね。前の方行こうか」
ショーが始まると軽快な音楽と共にイルカがジャンプをする。
「おぉ」
「イルカ凄いよね」
「可愛いぜ」
「あ、承太郎!手振ってるよ」
「手じゃあなくてヒレだぜ」
「ん……まあそうだけどね?」
そんなことを話していると一匹のイルカがショーの中で一番のジャンプをする。着水するときに盛大な水しぶきをあげ、周りから歓声と拍手が沸き上がった。
「凄い飛ぶねぇ」
「ちょっと水かかったぜ」
「ハンカチ使う?」
「サンキュ」
ショーが終わって観客が盛大な拍手を送ったあと皆散り散りになっていく。
楽しい時間はあっという間で、帰る時間が迫ってきた。日が傾きはじめ、外が少し暗くなる。
「もうこんな時間なんだね」
「……」
「お土産みてく?」
「ん」
水族館の中にあるお土産屋を回り、姉妹へのお土産を見ていく。承太郎はクッキー、花京院は饅頭を家族に買っていった。
「……承太郎」
「あ、あぁなんだ?」
「ぬいぐるみ欲しいなら見てきたら?」
「いや!?そんなつもりはっ……」
無意識にベルーガのぬいぐるみの方に目がいっていた承太郎に気がつき花京院は優しく催促する。承太郎は首を横に振るが、いいからいいからと花京院が言うので少しだけ……と見に行くことに。
「可愛い……」
「あ、これとか。シャチだよ」
どれも可愛くデフォルメされていてぬいぐるみ独特の柔らかさに承太郎は少しだけうっとりする。
「それもいいな……ダイオウグソクムシとか」
「なんか、裏側がリアルだね……」
「シャチにするか」
「そう?じゃあ僕が……」
払うよ、と言いかけたところで承太郎は花京院を止める。
「いや、自分で買うぜ!自分のだからな」
「そ、そう?」
「それにこの前ゲーセンで取ってもらったし……イルカ」
「あれ?そんな気にしないでいいよ。僕が取りたかっただけなんだ」
それでも自分が買うと言って譲らなかった承太郎は、結局自分で買ったのだった。
「今日は誘ってくれてありがとうな」
「どういたしまして。楽しんでくれた?」
「楽しかったぜ」
「それは良かった」
家まで送っていくよ、と花京院が言う
。だが、「姉貴に冷やかされるから」と承太郎は言った。花京院は気にしてるならしょうがないかな、と思い潔く引き下がった。
「なぁ、花京院」
「どうかした?」
「また行こうぜ」
「もちろんだよ!」
こうして、水族館デートは幕を下ろしたのだった。
「承太郎ヒトデ好きなの?」
「あぁ」
見て回っていると承太郎はヒトデを見つけて駆け寄る。水槽の中では石に張り付いているヒトデが二、三匹。
(そういえば承太郎のカバンにヒトデ付いてたよなぁ……。あとイルカ。あれを見たときはギャップ萌えを感じたな……)
「?花京院?どうかしたか」
「いや、ちょっと考え事。ヒトデ可愛いね」
そんなこんなで回っていると、イルカショーの案内のアナウンスが流れる。
「イルカショー、見に行こうか」
「行く」
即答した承太郎。楽しそうで何よりだなぁとしみじみ思う花京院であった。水族館は少し薄暗いからお互いの表情がわかりにくく、表情が伺えない分すこし残念だな、と花京院は思った。
「承太郎は本当に水族館が好きなんだね」
「ああ……好き」
暗くてよく見えなかったが普段とは違う笑顔だったのはなんとなく花京院に伝わった。承太郎を見て花京院は頬が熱くなるのを感じたのだった。
「ほら、もうすぐ会場つくぜ」
「あ、ホントだね。前の方行こうか」
ショーが始まると軽快な音楽と共にイルカがジャンプをする。
「おぉ」
「イルカ凄いよね」
「可愛いぜ」
「あ、承太郎!手振ってるよ」
「手じゃあなくてヒレだぜ」
「ん……まあそうだけどね?」
そんなことを話していると一匹のイルカがショーの中で一番のジャンプをする。着水するときに盛大な水しぶきをあげ、周りから歓声と拍手が沸き上がった。
「凄い飛ぶねぇ」
「ちょっと水かかったぜ」
「ハンカチ使う?」
「サンキュ」
ショーが終わって観客が盛大な拍手を送ったあと皆散り散りになっていく。
楽しい時間はあっという間で、帰る時間が迫ってきた。日が傾きはじめ、外が少し暗くなる。
「もうこんな時間なんだね」
「……」
「お土産みてく?」
「ん」
水族館の中にあるお土産屋を回り、姉妹へのお土産を見ていく。承太郎はクッキー、花京院は饅頭を家族に買っていった。
「……承太郎」
「あ、あぁなんだ?」
「ぬいぐるみ欲しいなら見てきたら?」
「いや!?そんなつもりはっ……」
無意識にベルーガのぬいぐるみの方に目がいっていた承太郎に気がつき花京院は優しく催促する。承太郎は首を横に振るが、いいからいいからと花京院が言うので少しだけ……と見に行くことに。
「可愛い……」
「あ、これとか。シャチだよ」
どれも可愛くデフォルメされていてぬいぐるみ独特の柔らかさに承太郎は少しだけうっとりする。
「それもいいな……ダイオウグソクムシとか」
「なんか、裏側がリアルだね……」
「シャチにするか」
「そう?じゃあ僕が……」
払うよ、と言いかけたところで承太郎は花京院を止める。
「いや、自分で買うぜ!自分のだからな」
「そ、そう?」
「それにこの前ゲーセンで取ってもらったし……イルカ」
「あれ?そんな気にしないでいいよ。僕が取りたかっただけなんだ」
それでも自分が買うと言って譲らなかった承太郎は、結局自分で買ったのだった。
「今日は誘ってくれてありがとうな」
「どういたしまして。楽しんでくれた?」
「楽しかったぜ」
「それは良かった」
家まで送っていくよ、と花京院が言う
。だが、「姉貴に冷やかされるから」と承太郎は言った。花京院は気にしてるならしょうがないかな、と思い潔く引き下がった。
「なぁ、花京院」
「どうかした?」
「また行こうぜ」
「もちろんだよ!」
こうして、水族館デートは幕を下ろしたのだった。