joy!

そして水族館デートの日。……デートというには語弊があるが雰囲気的にデートっぽいので何も問題ないと思う。待ち合わせ場所には胸を高鳴らせながら今か今かと承太郎を待つ花京院がいた。嬉しいやら照れるやらいろいろな気持ちが入り交じっていて訳が分からなくなってくる。

「承太郎、来るかな」
「呼んだか?」
「うっわぁぁ!びっくりした……」

いつの間にか来ていた承太郎が目の前に立っていて花京院は驚く。

「待たせたな」
「いいいいいや!ぜんっぜん待ってないから!?大丈夫!」
「そうか……なら早く行こうぜ」

いつもより足取りが軽い承太郎。水族館に行けるのが楽しみらしい。
いつもとは違う雰囲気の承太郎にドギマギしてしまう。

「……」
「……えっと、可愛いね……!」
「……そうか、その、ありがとう」

水族館につき開館を待つ。承太郎は表情さえ変えないが少しそわそわしている。

「よく姉妹でくるの?水族館」
「たまにだ。動物園が多数決だからな」
「そっか、僕今日楽しみだったんだ。いっぱい見て回ろうね」
「あぁ」

承太郎がワクワクしている、それだけで花京院は胸が高鳴った。

(承太郎とお出かけ!しかも水族館なんてデ、デートみたいだ……!夢なのか!?)

自分の頬をぐいっと引っ張り痛みを感じたから、夢じゃないと再び自覚してドキッとする。そんなことをしていると水族館が開館した。周りは家族連れやカップルばかりだ。

「な、なんか周りが家族連ればっかりだね」
「あぁ、それより花京院。早く行こうぜ?」
「あ、うん。どこから行こうか」
「シャチ。シャチが見たいぜ」

軽い足取りでシャチの水槽へ向かう。承太郎の隣を歩きながら花京院は次はどうしようかとかどうしたら承太郎が喜ぶだろうなとか考えていた。
シャチの水槽の前。優雅に泳いでいるシャチを見て承太郎は目を輝かせた。花京院はシャチなんかより楽しそうな承太郎を見てドキドキしていた。

「花京院、シャチだぜ!」
「あぁシャチ可愛いよね」
「お、おう!」
(承太郎、凄く楽しそうだな)
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