joy!

某大学の某日。
ジョセフは小走りをしていた。長い髪をたなびかせて。十人中十人は振り返り見とれるであろう彼女。グラマー体型で明るくやんちゃな、所謂ワンコ系のため男女共に人気が高い。そんな彼女が急いでいるのはレポート提出。

「うわ~ヤバイッ!すっかり忘れてた~!!」

同じ頃、シーザーは歩いていた。イタリアからの留学生として一年前こちらに来たばかりである。シーザーはいわゆる伊達男と呼ばれる分類で、女性にはとても優しい。もちろん男にも気配りはするが。ブロンドの髪がさらさらと動けば、道にいる女子という女子が振り返る。彼は午後、特にすることもないためただ大学内を歩いていた。
すると、シーザーの目の前に落ちた。それはジョセフのハンカチである。ジョセフは気がついていないらしく、そのまま走っていく。シーザーはそれに気付き声をかけた。

「もし…ハンカチ落ちたぜ?」
「えっ?」

ふっと振り返ったジョセフの目の前には今、大学内で人気の金髪イタリア人留学生が自分のハンカチを持っていた。
シーザーはシーザーで振り返った女性が中々可愛かったため、驚いていた。

「あ、ハンカチ!落としちゃったんだ…ありがと!じゃっ私は急いでるから」
「待って!」
「えっ?」

早くレポート出さなくちゃ!と急いでいたジョセフは、いきなり制止されたことに驚き、転けそうになりしかも、イケメンに左手を掴まれ、たじたじである。

「な…なんデスか…?」
「名前を…教えて頂きたい」

いきなり呼び止められて、声がうわずってしまった。

「あぁ名前?ジョセフ・ジョースター!ちゃんと聞いたんだから覚えといてよね!?」
「あっあぁ!俺、シーザー!シーザー・A・ツェペリ!」
「シーザーねっ!覚えとく!じゃあ私っ、レポート出してくるからっまたね!」

ジョセフは猛ダッシュした。理由は2つ。1つは本当に急いでいるというもの。もう1つは…

(やっばー…ドキドキしたっ)

という乙女思考。しかし、それを一目惚れだと気が付くのはもっと落ち着いてから。
シーザーは固まっていた。ジョセフの笑顔が眩しかった。

(またね…か)

その後、シーザーとジョセフが同じ学部で、しかもシーザーの方が年上だということを知ったのだ。

―…まだまだ始まったばっかり!―
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