joy!

⒋素直じゃない彼と朗らかな彼女

「ノックしてもしもぉーし」
「何だお前か。まぁ丁度良かった」
「え、いつもと違う……」

仗助はこの日露伴宅に来ていた。が、いつもどおりブツブツ言われるかと思いきや何故かちょっと待ってろと言われたのだった。
言われた通り待っていると露伴が帰ってくる。

「ほら、それやるから帰れ」
「なんスか、これ。露伴にしてはピンク色の袋……」

渡された袋にはこの辺では有名なケーキ屋の名前。丁寧にリボンがつけてある。

「ホワイトデーだからな」
「へー意外」
「何が意外だ。ぼくは貰ったらちゃんと返すタイプだからな」
「ふーん、ま、ありがとう!」

ニパッと笑う仗助は嬉しそうに鞄にしまう。

(やれやれ、選んだかいがあったもんだ)
「?露伴ー?」
「あ、用は済んだからさっさと帰れ」
「えー!まだ来たばっかりっスよ?」
「いいから帰れ。それやったろ」
「ちぇっ、まぁ今回はお返しに免じて帰るっス……じゃーねー!」

ブンブンと手を振りながら帰る彼女を少しだけ見送って露伴はドアを閉めたのだった。

.*・゚他意はない!貰ったから返しただけだからな!By露伴.゚・*.

⒌貢ぐ彼らと愛される彼女

「なんです、これ」

机の上にはお菓子の山があった。その横ではナランチャやらミスタやらフーゴがいた。

「ホワイトデーのお返しだぜ!」
「結構、財布に響いたんだぜこれ……」
「バレンタインデーに貰ったお返し、ということです」
「は、はぁ……」

一体この量をどうしようかとジョルノは悩んだ。確かに貰ったのはたいへん嬉しい。ジョルノは甘い物が好きだからだ。特にチョコレート。だがしかし甘い物が好きと言うのはデメリットもある。

「ありがとうございます(太りそうだ……嬉しいんですけど)」

まぁ、家に帰って姉たちにも手伝ってもらおうと考えていると教室のドアから誰かやってくる。

「あ、いたいた。……ジョ、ジョルノー」
「おや、ドッピオじゃあないですか。珍しいですねどうしたのです?」

来客はドッピオ、一言でいうならディアボロの多重人格のヘタレた方である。何故かディアボロをボスと呼んでいる。

「あの、チョコレート貰ったからお返しを、って……あ、ボスからも預かってきたよ」
「ディアボロが……。彼にしては中々気が利きますね」

はい、とドッピオから渡された二つの袋。ニコリとしながら「ありがとうございます」とジョルノが礼を言うとドッピオは顔を真っ赤にして「お返しなんだから当然だよ!」と言い残して教室から出ていった。

「なんだか……今日だけでたくさんカロリーが取れますね」

食べ過ぎて太りたくはないな、としみじみ思うジョルノ出会った。

.*・゚これだけじゃあ全部は伝わってない!By5部勢の方々.゚・*.
84/98ページ
スキ