joy!

「やぁ!奇遇だねぇジョルノ」
「メローネ、あなたバイクじゃあないんですか?」
「いやぁ修理に出しててさ」

電車の中でジョルノはメローネに会った。それは奇遇で偶然だと言ったらウソになる。確かにメローネはバイクを修理に出しているがわざわざジョルノがのる電車を調べてその時間に合わせたのだ。さすがと言おうかなんというか。

「一緒に行こうか」
「まぁ、同じ学校ですからね」

そして、電車に乗ろうとしたときだった。メローネの後頭部に辞書が激突した。がすっと鈍い音がする。

「うげぇ!」
「ちょっ!?メローネ?」
「ちょっとそこのあんた!うちのかわいい妹に何してくれてんのぉ?」

かがんでいるメローネにビシッと指をさすジョセフ。どうやらメローネを誘拐魔だと勘違いしたのだろう。

「ジョセねぇさん」
「あっ!大丈夫?ジョルノ怪我は?襲われてない!?」

ペタペタとジョルノの体のあちこちをボディチェックし始めたジョセフ。すこしイラッとしていたジョルノだったが気を取直して、ジョセフの手を離してメローネの頭を確認していた。

「いや、襲われてないんですけど……勘違いです」
「え?」
「彼は先輩です、ただの」
「えっ!?」
「初めましてお姉さん」

あぁ!どうしよう!と慌て始めるジョセフ。メローネはズキズキする頭をジョルノにさすられながら(いかにも幸せそうだった)気を取り直す。
あわあわとまだ慌てるジョセフ。

「ごごごごめんねっ!まさか先輩とは思わなくってさぁ!」
「いや、大丈夫です」
「メローネ、絆創膏貼りますよ。たんこぶ出来ちゃって……」
「ありがとう、ジョルノは本当に優しいんだね……!」

仲むつまじく(?)治療をしているとジョセフの後ろからズンズンとやってくる人物が。

「ジョジョ!お前なぁ」
「あー、シーザーちゃん!」
「いきなり走っていったと思ったら、本当に誘拐魔だとかだったらどうするんだ」

声の主シーザーはジョセフの頭をコツンと叩いた。てへっと舌を出すジョセフにハァ、とため息をつく。

「スカタン、お前にもしものことがあったらどうするんだ!ジョジョのお姉さんやら妹やらに顔向けができん、何より俺が心配だからな」
「シーザーちゃん……!」

周りにハートか何かがフワフワと浮いている二人を見ていたメローネとジョルノ。

「仲いいですよね」
「羨ましいよね」
「そういう人いるんですか?」
「ジョルノとかジョルノとかジョルノかな」
「寝言は寝て言った方が理にかなってますよ」

きゃっきゃとラブラブしているシーザーとジョジョを放ってジョルノとメローネは電車に乗った。ふと、メローネは言った。

「俺ってそんな誘拐魔っぽいのか?」
「ん、言われてみればそうかも」
「傷つくわぁ……」
「あなたも傷つくんですね知りませんでした」
「ジョルノってばドSぅ!」

こうして騒がしい朝は過ぎていった。


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