joy!

「おっはよー!ジョルノ!」
「おはようございます、ナランチャ」
「なぁなぁ!チョコレートくれよ!」

登校早々ナランチャはジョルノにチョコレートをねだった。ジョルノややれやれと持っている紙袋から包みを出す。

「はい、お返し待ってますから」
「やったー!ジョルノからチョコレート貰ったぁ!」

バタバタと教室にせわしなく走っていく。その後ろ姿を見て息をつく。

「今日は忙しくなりますね……」

やはり教室に行くとソワソワしている男子たちがいる。それに構うことなく自分の席へと歩いていく。席に着くと近くの席の某二人と先ほどチョコレートを貰った上機嫌なナランチャがいた。

「おはようございますミスタ、フーゴ」
「あ、あぁおはよう」
「おはようございます、ジョルノ」
「……ちゃんと用意してありますから。お返し待ってますよ」

女の子らしい包みを二人に差し出しいい笑顔でギブアンドテイクを推める。願望を言ったジョルノだったが、目の前の男子はそんなことはどうでも良かった。ただジョルノから(重要)貰えたと言う事実が嬉しすぎて。

「ま、マジか!サンキュ!!」
「あ、ありがとうございます、ジョルノ……!」
「やれやれ」

まだまだ紙袋には大量のチョコレートの包み。今日中に配り終えることが出来るのやら……と考えているが、まぁ上手くできていて、皆してジョルノの前に現れるのだった。

「ciao!ジョルノ、バレンタインよ」
「トリッシュ!ありがとうございます。僕チョコレート大好きなんです、はいお返し」

やってきたトリッシュもまたジョルノにクッキーを渡す。さっきからあげるばかりだったジョルノは嬉しさが倍増だった。周囲が、俺には無いのか!?だのなんだの言っているが無視だ。

「僕、先生達に渡してきます」
「あ、私も行くわ!」

そして、職員室に向かう二人だが何事もなく行ける訳が無い。やはりチョコ目当てがいるものだ。

「ジョールノっ!」
「わっ、メローネ。おはようございます」
「何しに来たのよメロン」
「酷い言われようだなぁ!チョコ貰うためにジョルノに会いに来たに決まってるじゃん。他に何があるの」

後ろからジョルノを抱きしめるメローネは何を考えているのか分からない笑みを浮かべながらチョコをねだっている。ジョルノは少し苦しいなぁと思いながら紙袋をあさった。

「はい。メローネ」
「ありがと!ジョルノ大好きっ!」
「ジョルノ!こんなやつ放って行くわよ!」
「あ、そうですね行きましょうか」

パッとジョルノをメローネから解放し職員室に向かうトリッシュはジョルノの手を引いて早歩きで歩いた。

「あーあ行っちゃった。ま、貰えたしいっか」

そして二人は職員室へ。

「失礼します」
「ん、ジョルノとトリッシュか?」
「……すごい量ね」
「うっわ!何だこれ……」
「アバッキオ先生おはようございます」

机の上には包みがいっぱい。既にチョコレートを渡す女子がたくさんいたらしい。今来たアバッキオと、前からいたブチャラティは困った。

「すごい量ですね」
「まぁな……全部食べられるか?」
「無理だな」
「僕ならいけますね」
「私も」

ねーっと二人でうなづいているのを横目に山積みのチョコレートを見て息をつく男性陣。するとジョルノが残念そうに言った。

「でもこんなにあったら僕達があげると迷惑、ですかね」
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