joy!
「ありがとう、シニョリーナ!」
「……むぅ、スケコマシーザーってば相変わらずモテモテねっ!」
その日ジョセフはムカムカしていた。楽しい待ちに待ったバレンタインだというのに、何故か。
それは目の前の光景にある。イタリア留学生シーザーの前には列が出来ていた。そう、皆バレンタインのチョコレートを渡す女子だ。紙袋いっぱいのチョコレートを持っているシーザーはニコニコと女子からチョコレートを貰っている。その笑顔に女子はまたクラッとしているのだ。
その様子がジョセフは気に食わない。あの列の中に入って渡すのはまっぴらごめんだし、じゃあいつ渡すのか?となる。
だいぶ時が経ってようやく女子の列が途絶えた。紙袋二、三個に沢山のチョコレートを詰めてジョセフの方へ帰ってきたシーザー。
「ジョジョ、スマンな待たせたみたいで」
「はいはい、シーザーちゃんはおモテになるようで」
ちょっと皮肉っぽくシーザーに言う。
「そうか?」
「列とか凄かったしィ?傍から見てて購買を彷彿とさせるような列だったわよ」
学校の購買というのは確かに戦場でシーザーの周りも戦場そのものだった。シーザーはむぅっと膨れているジョセフをしっかり見ている。
「ふぅん……嫉妬?」
「はぁ!?べべべ別に違うし?」
何言ってんの!と言い返すジョセフが可愛くて問い詰めたくなる。動揺しているジョセフは慌てて後ろにチョコレートの包みを隠す。
「今何か隠したな?」
「きっ気の所為じゃなぁい?」
「え、じゃあ見せてみろよ」
サササと後ろに回り込んだシーザーから逃げるようにジョセフはまた隠す。
「だめ、絶対!」
「なんで標語みたいに……チョコレート?」
「あっ」
バレバレな動揺とチョコレートを見破られたジョセフは顔を真っ赤にした。
「それ、シーザーちゃんに」
「そうなのか、なんでさっき渡さなかったんだ?」
「人と一緒じゃあなくて特別が良かったの!!」
ジョセフはうつむき加減に言った。それを受け止めてシーザーはポンポンと頭を撫でる。
「ありがとう、今までのどんなチョコよりも嬉しいぜ」
あなたの特別になりたいの!!
「……むぅ、スケコマシーザーってば相変わらずモテモテねっ!」
その日ジョセフはムカムカしていた。楽しい待ちに待ったバレンタインだというのに、何故か。
それは目の前の光景にある。イタリア留学生シーザーの前には列が出来ていた。そう、皆バレンタインのチョコレートを渡す女子だ。紙袋いっぱいのチョコレートを持っているシーザーはニコニコと女子からチョコレートを貰っている。その笑顔に女子はまたクラッとしているのだ。
その様子がジョセフは気に食わない。あの列の中に入って渡すのはまっぴらごめんだし、じゃあいつ渡すのか?となる。
だいぶ時が経ってようやく女子の列が途絶えた。紙袋二、三個に沢山のチョコレートを詰めてジョセフの方へ帰ってきたシーザー。
「ジョジョ、スマンな待たせたみたいで」
「はいはい、シーザーちゃんはおモテになるようで」
ちょっと皮肉っぽくシーザーに言う。
「そうか?」
「列とか凄かったしィ?傍から見てて購買を彷彿とさせるような列だったわよ」
学校の購買というのは確かに戦場でシーザーの周りも戦場そのものだった。シーザーはむぅっと膨れているジョセフをしっかり見ている。
「ふぅん……嫉妬?」
「はぁ!?べべべ別に違うし?」
何言ってんの!と言い返すジョセフが可愛くて問い詰めたくなる。動揺しているジョセフは慌てて後ろにチョコレートの包みを隠す。
「今何か隠したな?」
「きっ気の所為じゃなぁい?」
「え、じゃあ見せてみろよ」
サササと後ろに回り込んだシーザーから逃げるようにジョセフはまた隠す。
「だめ、絶対!」
「なんで標語みたいに……チョコレート?」
「あっ」
バレバレな動揺とチョコレートを見破られたジョセフは顔を真っ赤にした。
「それ、シーザーちゃんに」
「そうなのか、なんでさっき渡さなかったんだ?」
「人と一緒じゃあなくて特別が良かったの!!」
ジョセフはうつむき加減に言った。それを受け止めてシーザーはポンポンと頭を撫でる。
「ありがとう、今までのどんなチョコよりも嬉しいぜ」
あなたの特別になりたいの!!