joy!

「はる、の?お前あのはるのか!?」
「えぇ、そうですよ」
「髪全然違うじゃあねぇか!黒かったよな?」
「イメチェンですよ」
「イメチェンしすぎて全然わかんなかったぜ……」

二人はワイワイと話し始めた。そんな会話に1人不満げなメローネ。いかにも楽しそうに話す二人が不満らしくてむすっと膨れながら言った。

「なんか俺だけ仲間はずれじゃん !!どういう関係なのさ!あと黒髪ジョルノ写真希望!」
「やらん!」

さらっと写真寄越せと願望を言ったメローネにキレるギアッチョ。

「あるんですか……ま、置いといて。僕とギアッチョは小さい頃よく遊んでたんですよ」

ちょっと遡って小さい頃。ジョルノはまだ舌っ足らずで自分を〝はるの〟と呼んでいた。
ある日、ジョナサン達と買い物に行ったのだが、お菓子売り場をじっと見ていてジョナサン達とはぐれてしまったのだ。気がついたら周りは知らない人だらけ。あたりを見渡してもジョナサン達はいないし、知らない人ばかりで怖かったジョルノはぐずり始めた。

「誰もいない……」
「おい」

いきなり声をかけられたジョルノはビクッとして、声をかけられた方に振り向く。そこには眼鏡をかけている男……そう、ギアッチョがいた。

「……だ、誰ですか」
「お前、迷子、か」
「迷子、です(質問に答えて……)」

迷子だと答えてジョルノはさらに自分の置かれている立場を実感する。知らない人ばかりの空間で知らない人に話しかけられている。それは幼いジョルノにとって恐怖であったため、ジョルノは泣き出した。

「うっ……うわぁぁぁん!!」
「おい!?泣くなよぉ……別に一生会えなくなってわけでもあるまいしよ」
「だって……だって……」

グズグズと愚図っているジョルノに焦っている幼い頃のギアッチョは必死にジョルノを泣きやませるように慰めた。何度も何度も、小さな手のひらでジョルノの頭を撫でた。
ジョルノが落ち着きを取り戻し泣き止むと改めて二人は面と向かう。

「で、はるのはなんで一人ぼっちなんだ?」
「それは……チョコ見てたら皆いなくなってました……」
「ふぅん」
「ギアッチョはなんで一人ぼっちなんですか?」
「家が近いから。一人で来た」

お菓子売り場の近くで二人は話していた。とにかく、ギアッチョはジョルノが不安がらないように気をそらすためにお話したし、ジョルノは今まで姉妹とディオとしかお話しなかったため、初めて違う人と話したのが楽しかったのだった。

「あー!見つけたわよ!」
「……ジョセねぇさん!」

パタパタと走ってくるジョセフ(当時中学生ほど)を見つけジョルノ一気に表情が明るくなる。

「姉か?」
「はい。二番目のお姉さんです」
「そっか良かったな。見つかって」
「はい!」

ギアッチョはポンとジョルノの頭の上に手を置いてサラサラの黒髪を梳くように撫でた。ジョルノは気持ちよさそうに目を細める。
そして、ギアッチョはコートのポケットに手を入れて別れをつげる。

「じゃあな」
「あ、あの……また、お話一緒にしましょうね」
「!あ、あぁ。いいぜ」

ひらひらと軽く手を振りギアッチョとジョルノは別れた。
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