joy!

少し、昔の話をしよう。あれはジョナサンが12歳の頃。まだまだやんちゃだった頃だ。ジョセフぐらいやんちゃだったと言えるぐらい。

「ジョナサン、今日からお隣さんが来るよ」

父にそう告げられ、ジョナサンは目を輝かせた。仲良くなれるかな?優しい人かな?と、胸を踊らせながら。

「へぇー!どんな人!?」
「ジョナサンと同じくらいの歳の子が1人いるんだよ。名前はディオ君っていうんだよ」
「えーなになに?とーさん!誰かくんの!?」

すると、後ろからジョセフ(当時11歳位)がジョナサンに抱きつきながら話を聞く。ちなみに承太郎(当時9歳ぐらい)はか興味がないと、静かに座っていた。

「あのね、お隣さんが来るんだってー」
「そーなの!?どんな人だろう!」
『楽しみだねー』

ジョナサンとジョセフはキャッキャとはしゃいでいる。どんな人ー?とか年幾つー?と、父、ジョージにたくさんの問いかけをした。
そろそろか、とジョージが掛け時計を見るとピーンポーンとインターホンがなった。

「こんにちは」
「こんにちは。遠いところから……」

と、ジョージと引越してきた人は世間話をする。その後ろには金髪の少年がいた。

「こちらがディオ君ですな」
「えぇ」
「かっこいいですねぇ、ほらジョナサン。挨拶は?」

ジョージはジョナサンに挨拶をするように言った。するとジョナサンは元気良くニコニコしながら、

「こんにちは!君がディオ君だね!私はジョナサン・ジョースター。ジョジョって呼んで!」
「ふん」
「む、感じ悪ぅい!ジョナねぇ一緒に遊ぼ!」

ジョセフが頬を膨らませながらジョナサンの腕を引っ張る。こんな無愛想なやつがお隣さんなんて!もっと楽しい人が良かった!と、思いながら。

「あっ、ジョセフ待って!ディオ君も一緒に遊ぼ?」
「…ディオでいい」
「え、そう?じゃあディオ!一緒に遊ぼ!」
「付き合ってやらんでもない」

ぶっきらぼうにそんなことをいうディオだったが実際のところ仲良くしたいのだった。ニコニコと天使のように微笑みながら手を差し出すジョナサンのことを好きになってしまったのだ。今まで人を好きになる経験がなかったディオでも「あ、素敵だ」と思ったぐらいなのだからジョナサンは昔から魅力的だったのだ。
それから二人はすごく仲良くなった。よく遊び初めはぶっきらぼうだったディオもだんだんと笑うようになっていった。ディオが笑うとジョナサンが笑い、ジョナサンが泣くとディオが泣きながら慰める。喧嘩をしてもすぐに仲直りしてしまう……そんな関係になっていった。

………………

「ディオ?ボーっとしてたよ?どうしたの」
「んー……昔を思い出してな」
「あぁ、仲良かったよねー昔から。楽しかったなぁ」
「今は楽しくないのか?」
「楽しいに決まってるでしょう?」

あの時から少し大人っぽさが増えた微笑みでジョナサンはクスリと笑う。
今では二人は恋仲。これからも、ずっと。結婚して、おじいさんとおばあさんになっても切れることのない運命の糸で繋がっている。

「私、頑張るからね」
「なにを?」

素敵な奥様になれるように!
(今でも君は十分素敵な自慢の奥様!)
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