joy!
神社に来てすぐのこと……はぐれないようにと二人一組になったジョースター家。こちらはジョセフと仗助チーム。既にお参りを済ませてお雑煮を食べている。つきたてのお餅がびろーんと伸びる。
ジョセフ「うーん!お雑煮おいし!」
仗助「お餅がもっちもちっス!」
ジョセフ「お餅なんだから当たり前よ」
そんな会話をしているとこちらにやってくる人影が。と言ってもこの人ごみの中中なのでジョセフたちは気がついてはいなかった。道行く女子がちらりと振り返り黄色い歓声を上げる。それさえもかき消されてしまう程神社は活気づき、うるさい。
シーザー「ジョジョ!」
ジョセフ「あららっ!?シーザーちゃん?あけおめー」
お雑煮に夢中なジョセフに声をかけたのはシーザー。
シーザー「あぁ、あけましておめでとう。こんなところで会えるなんて」
ジョセフ「シーザーちゃんもお参りぃ?弟君は?」
シーザー「あぁ、そんなところだ。ジャイロは多分ジョニィちゃんといるんじゃあないか?」
そんなたわいもない会話をしていた。ジョセフにとっては、先程まで夢中になっていたお雑煮の事を忘れるぐらい嬉しそうだ。それほど彼女の中でのシーザーという存在は大きくなっていったのだった。
シーザー「こんなところで会えるなんて今年はいい年になるな」
ジョセフ「っ!もう!シーザーってば!」
スケコマシ!と言って、ジョセフは照れながらシーザーをぱしぱしと叩いた。
仗助はというと、
仗助「あれ?露伴センセー?」
露伴「なんだ、仗助か」
仗助「なんだってなんスかぁ!」
もう!と仗助が怒り気味に言う。露伴はコートを着てマフラーをしていた。
仗助「露伴センセーもお雑煮を食べに来たんっスか?」
露伴「僕はお前と違ってお参りに来たんだからな」
仗助「相変わらず癪に障る言い方っスね……しかしまーよく俺を見つけられたっスね」
露伴「お前は目立つからな」
主に髪型が、と言おうとするのをぐっとこらえる。余り仗助に髪型の話題はしない方がいいと頭の中で警告音がなったからだ。
仗助「じゃあ俺のところまで来てくれたんっスか?」
露伴「はん、違うな」
仗助「じゃあなんっスか?」
露伴「……雑煮もらいに……」
仗助「さっき違うって言ったじゃあないっスかぁ!」
もーなんなんっスか……と言いながらお雑煮を食べる仗助を放って露伴はお雑煮を貰いに行った。が、すぐ帰ってきた。
仗助「……こんどはなんスか……」
露伴「別に、ここに焚き火があるから来ただけだ」
仗助「素直じゃあないんだから」
そんなことを言っているとジョセフとシーザーがやってきた。
ジョセフ「仗助ぇン!行くわよー」
仗助「はーい」
シーザー「ん?隣は?」
留学生のシーザーは露伴のことを知らないらしい。
仗助「岸部露伴センセーっス!」
シーザー「先生?学校の?」
ジョセフ「違う違う。漫画家よ」
シーザー「あぁ!漫画家」
露伴「どうも」
なるほど、と頷くシーザー。そろそろ集合場所に行かなくちゃいけない時間らしい。仗助は露伴の顔をのぞき込むようにして聞いた。
仗助「露伴センセーも来ます?」
露伴「はっ?」
仗助「このあとおせち食べるんっスよぉ!良かったらどうっスか?」
露伴「ふん、行ってやらんでもない」
仗助「素直じゃあないんだから……本当に」
そっぽを向きながら答えた露伴を見てふぅっとため息をついた仗助。ジョセフはニコニコしながらぱんっと手を叩いた。
ジョセフ「よーし!決まりっ!あ、シーザーちゃんは強制ね」
シーザー「良いのか?」
ジョセフ「うん!それに、弟君も来るだろうし。ジョニィがすっごい目をキラキラさせながら彼の話するんだもん」
あははとジョセフは笑いながらジョニィの話をする。ジョセフ自身シーザーが来てくれた方が嬉しいだろう。という訳でシーザーも参加決定。
シーザー「なら行こうか」
ジョセフ「よーし!レッツゴー!」
仗助「あぁ待って!はぐれちゃうっスよ!」
あわあわと慌ててジョセフの後ろを追いかける。
シーザー「全くジョジョは世話が焼ける」
ジョセフ「なっ!楽しみだったんだもん!」
シーザー「やれやれ、ほら」
そう言ってシーザーはジョセフの手を掴んで歩き出した。
シーザー「これでいいだろ、さ仗助ちゃんたち待つぞ」
ジョセフ「……!うっ、うん」
ジョセフはシーザーが手を掴んで来たのでびっくりしたらしい。少し動揺した。
そして仗助達。
仗助「ジョセねぇってば……」
露伴「元気な姉だな」
仗助「まぁ、はい。じゃなくて追いかけなきゃ」
露伴「お前まで迷子になる気か」
走り出そうとする仗助の手を掴む。
露伴「ほら。いくぞ」
仗助「あ、あぁはい。……露伴センセー案外優しいんっスね」
露伴「うるさいいくぞ」
きょとんとしている仗助。少したって歩き出した。ぷいっとそっぽを向く露伴だが歩いている時の歩幅は仗助に合わせていた。