joy!

「ところでそっちの方は?」

ジョルノがリゾットの隣にいる固まっているメローネの方を向いた。

「あぁ、こっちは「素敵だ」…は?」

ついに暑さで気が狂ったのか、メローネはじっとジョルノを見たまま動かなかった。

「ディ・モールト!ディ・モールト素敵だ!俺はメローネ。君の名前が知りたいな!」
「え、あぁ。ジョルノです」
「そうか、早速だけどもジョルノ」
「何でしょう」
「僕との子供を産んでほし…「何言ってんだこの変態っ!」人の台詞を遮るな!」

スパーンと良い音がして、メローネの頭を団扇で叩いたリゾット。そんな音が団扇で出るのか…と言うくらい大きな音がした。メローネがせっかく良いところなんだから!と、リゾットにと怒り始めたのを見てジョルノはポカーンとしながら、

「既成事実を作るのはちょっと…」
「そこじゃない!」

と、少しずれた解答をした。あからさまに引いているジョルノ。それに構わずメローネは喋り続ける。

「じゃあ、既成事実じゃなければ良いんだね?…結婚してください」
「いきなりそう言われても…」
「だから何か違う!」

ツッコミに忙しいリゾットを放っておいてジョルノとメローネは(本人たち自覚なしの)コントをしていた。ジョルノは内心“この人面倒くさい”と思っていたが、メローネの方は今までの暑さによるバテがまるで嘘のように無くなり、ジョルノを口説いていた。

「一目見たときから、運命だと思いました」
「今日初対面ですよ?」
「メローネ、とまれ。やめろ」

半分嫉妬、半分ツッコミという心境で…いやむしろ怒りしかない状態のリゾットを横目に、メローネはジョルノの手を握りながらのプロポーズ。ジョルノは大変困惑していた。

「ま、何にせよお仕事頑張ってくださいね」

ジョルノは一刻もはやくこの人から離れないといけない気がした。何故ならリゾットがメローネに威圧をかけていたから。メローネはスルーしているが。そして、このままだと遅刻もするし何より、過保護な友達たちが心配し尋問騒ぎだ。

「ありがとう。最後にクラスを教えてくれるかな?」
「1-Eですが…」

どうして?と首を傾げたジョルノにまた、可愛いなぁもうっ!と、悶えるメローネ…を冷やかな目で見ているリゾット。
これでこの夏冷えるんじゃあないかというぐらい冷たく、刺さりそうだった。

「好きな人のことなら何でも知りたいじゃあないか」

パチンとウィンクをして、ジョルノの手をパッと放して、ヒラヒラと手を振る。

「それでは。リゾットも、頑張って下さいね」
「あぁ。ありがとう」

走っていくジョルノを見送りまた仕事(立ってるだけ)に戻る二人。
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