joy!

ゲーセン

「よぉーし!やるぞ!」
「生き生きしてんな」
「そうかな?」

いつもよりはしゃいでいる花京院を見て承太郎は、

(まぁ、元気そうで何よりだ)

と、思った。
いきいきしている花京院を見ていると、不思議と心が軽くなる。…承太郎もまた、花京院に片思いなのだった。本人は気がついていないが。所謂両片思い。(ただし片方自覚なし)

ちなみに、今日承太郎が花京院と行くことを姉二人に伝えたところ、二人ともビックリ。本人よりも乗り気だった。何故なら承太郎は休日はあまり出掛けたりはしないからだ。するとしても姉妹たちの買い物の付き添いや、目的もなく、ふらふらっとどこかに行くか
『どんな奴!?』
『承太郎が誰かとお出掛けなんて!しかも男の子!』
『やかましい!』
『もー承太郎ってば顔真っ赤っ!』
きゃいきゃいとはしゃぐ、姉たちに一喝した承太郎。姉たちはそれでもニコニコしていた。

…さて話を元に戻して。リズムゲームでパーフェクトを叩き出したり、シューティングゲームで一位を叩き出す花京院。

「…やっぱお前、すげぇな」
「え?そうかな?」
「あぁ」

すると、UFOキャッチャーを見つけた。

「承太郎、何が欲しい?」
「…いきなりなんだよ」
「とってあげるよ!今日は一緒にゲーセン来てくれたし…」
「俺は別に、来たくて来ただけだ」
「でも、取らせてよ。僕が取りたいんだ」

既にコインを入れて、すごい真剣な表情をしている花京院に根負けしたらしい承太郎は、恥ずかしそうにUFOキャッチャーの奥の方を指差した。

「あの…イルカ…」
「うん。分かった」

顔を赤くする承太郎を可愛いなぁと思いながらニコリと微笑む花京院。
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