joy!

「お目覚めですか?」
「ここは…天国か…?」
「いいえ。保健室です」

起き上がろうとした少年をジョルノは、無理矢理押し倒した。

「まだ安静にしててください。アザ、痛むでしょう?」
「え、あ…ありがとう」

目の前にいる金髪美少女に押し倒され、怪我を心配される…なんて美味しい状況だろうか。そんなことを考えていたら痛みを忘れていたらしく、アザだけでなく、背中にある擦り傷がまだヒリヒリして苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる少年。
するとカーテンが開いた。

「おい、イルーゾォ。起きたか…」
「彼なら起きましたよ?」
「何してんだジョルノ!」

この状況を見て、チョコラータは何を思うか。過保護にしているジョルノが、嫌いの分類にはいるリゾットの子分的存在の、イルーゾォの上にまたがっている。今までの成り行きをみていなかったら、いかにもピンク色の空気が漂いそうである。チョコラータはどうするべきか迷った挙げ句…

「イルーゾォ殺す!」
「はぁぁ!?」

と言う結論に至った。ジョルノをどかして、イルーゾォの首根っこを掴んだ。

「よくもジョルノを傷物にしたな!」
「待て!落ち着け!」
「そうですよ。しかも僕は傷物じゃありません。傷物はイルーゾォですよ」
「上手いこと言ったつもりか!」

止めてくれ!とイルーゾォが叫んでいるにも関わらずジョルノは二個目のプリンの蓋を開けた。
チョコラータは、なぜか持っているメスをぶん投げ、それをマトリ○クスさながら避けるイルーゾォ。それをを見て歓声をあげるセッコ。今日も賑やかだなぁと思いながらプリンを口に頬張るジョルノ。まさにカオスである。

「うん。美味しい」
「ジョルノ、一口くれ!」
「仕方ないですね。セッコ。あーんしてください」
「うおっ!」

セッコはまさかあーんだとは思わなくて、目を見開いたが、嬉しくてジョルノに抱き着いた。スプーンにのったプリンを食べるべく、セッコは口を開け、スプーンにかぶりついた。
そんなことをしている(二人はまだ騒いでいる。)とガラッと扉が開いて、

「イルーゾォ迎えに来ましたー」

と、少年がやる気無さげに入ってきたが、彼は入り口で止まってしまった。何?この状況…と目で語っている。

「いま二人は戦闘中です。イルーゾォ君の保護者さんですか」
「保護者ではないが…」

イルーゾォを迎えにきた少年はこんなところになぜ女が?と頭に疑問符を浮かべていたが、構わずジョルノはプリンを頬張っている。メスが飛び交っているのに凄い落ち着きようだ。

「そんなことより!お前は…?」
「僕はジョルノです。現生徒会長の」
「あ…生徒会長の…そういや、変わったんだっけな。俺はホルマジオ」
「よろしくお願いします。会長なんてこっちとしては大変迷惑ですよ。全権掌握出来ないし…」

そんなことを無表情で述べるジョルノを見てこいつ怖ぇ…とホルマジオが思ったのは言うまでもない。
そろそろ喧嘩(殺し合い)が終わりに近づいてきた。

「しょうがねぇなぁ…イルーゾォ!帰るぜ」
「あ?ホルマジオ?なんだ、いたのか」
「さっきからいましたよ?彼は」

ホルマジオと連れ去られていくイルーゾォに手をふり、チョコラータの方を見る。彼はボロボロ…とまではいかないが、疲れたという表情をしている。

「…三十路が無理するからですよ?怪我人相手に何してるんですか」
「三十路って言うな」
「三十路って何?」

セッコがジョルノに聞いてくる。

「30過ぎのおじさんのことですよ」
「俺はおじさんじゃねぇ!まだお兄さんだ!」
「アウトです」

三十路と言われ続け心がボロボロなチョコラータ。こんなに顔は可愛いのにどうして言動はひねくれているのか。ごくまれに出てくるデレは凄い威力だが、通常の言動が刺さる。そんなことを考えていてふと思い出した。

「ジョルノ、何で上にまたがってたんだ…?」
「あぁ、それは…」

かくかくしかじかで…と説明するジョルノ。(ページの関係で省略)それを聞いたチョコラータは何を思ったのかはジョルノの肩を掴んで、

「ああいうのは俺にしろ!」
「何いってるんですかゲス野郎」

疲労のせいで壊れたのか、チョコラータは。と毒を吐くジョルノと、状況が把握出来ていないセッコが保健室にいた。
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