joy!

「おや?」

その日フラフラと校内を歩いていたジョルノは倒れている少年を見つけた。大分弱っているようで、体の色んなところにアザができている。おおよそ、その辺にいる不良がなんかしたのだろう。

「とりあえず、保健室」

ジョルノはその少年を持ち上げることはできないため、引きずった。下に一応タオル敷いたりしているが意味がない。幸い、保健室はここから遠くはない。
…なんとか保健室に到着。ガラリとドアを開けなかにいる医者と少年に声をかける。

「仕事ですよ。ヤブ医者」
「その呼び方やめろっつってんだろ!」

ヤブ医者と呼ばれた保険医…もといチョコラータはジョルノにツッコミを入れ、めんどくせぇなーと言いながら、椅子から腰を上げた。

「おら、入ってこい。怪我見せろ」
「いや僕じゃなくてこっちです」
「うわー…これは酷い」

ジョルノは未だに倒れている少年を引きずってチョコラータの前に出した。

「うおっ!ジョルノ!」
「こんにちは。セッコ」

さっきから空気だった少年…セッコがジョルノに気づき駆け寄る。角砂糖の瓶をしっかりもって。セッコはジョルノに抱き着こうとしたがチョコラータに阻止された。
ガッ!

「うおっ!?」
「ジョルノに抱き着くな。セッコ。一応治療はしたがありゃなんだ?アザばっかりだと思ったら背中が擦り傷だらけなんだが…」
「あぁ。それはですね」

今までの経緯をのべ、ジョルノはふぅ…とため息をついた。チョコラータはチョコラータで引きずってきたのかよ…。と別の意味でため息をついた。

「まぁ…ここまでよくつれてきたな」

よしよしと撫でようとする手を阻止したセッコ。ジョルノは頭上っ何が起こっているかを知らない。

「おい…?セッコ?」
「さっきのお返しだ、ヤブ医者!」
「お前もか。上等だ…俺に逆らったこと後悔させてやる…!」

そんな攻防戦が続くなか、ジョルノは保健室の冷蔵庫に常備されているプリンを取り出し、食べていた。
普通、保健室にあるわけないものが何故あるか。それはチョコラータとジョルノ、そしてセッコの関係にある。…と言ってもチョコラータがただ単にジョルノに甘いだけであり、セッコなんてここに住み着いているのか?という位ここにいる頻度が高い。そのため角砂糖が溶けないように冷蔵庫にぎっしり積めてあるのだ。だから、プリンがあってもいいかというわけだ。
しかも置いてあるとジョルノがよく来る。それってジョルノに会いたいだけじゃね?と、問いたくなるような理由で置いてある。

「そういや、倒れているそいつ…どっかで見たような…」
「イルーゾォだよ。ほら風紀のとこの」
「あぁ。あいつか」
「僕、知りませんが…」
「うおっ!生徒会長なのに?」
「えぇ」

生徒会長が何でも知ってると思わないでください?とジョルノが言ったら、ごめんごめんとセッコが謝った。
するとごそごそとベッドから音がした。

「ん…」

どうやら先ほどまで倒れていた少年が目を覚ましたらしい。
30/98ページ
スキ