joy!

ジョセフのもとから離れて、億泰、康一それから由花子の元へと駆けていった仗助。暑さも少し和らぎ、人がたくさん来てお祭りが賑やかになっていく。

「お待たせー」
「さっきのは仗助ちゃんのお姉さんかしら?」
「そうっスよ!次女のジョセねぇっス!」
「そう言えばいっぱいいたもんね」

胸をとんっと叩いて少し自慢げに言う。さっき、射的で負けてはいたがジョセフは自慢の姉である。明るく、はしゃぐことが大好きなムードメーカーで、頭はそこそこだが面倒見がいい。こう見えて承太郎の次に尊敬しているのだ。

「由花子さん浴衣似合ってるっス!」
「そう?仗助ちゃんも似合ってるわ」
「なんか照れるっスね」
「なぁーなんか食おうぜ」
「さっき焼きそば食べてたよね?」

ワイワイと騒ぎながら行く一行。途中、仗助が綿菓子買ったり、億泰がたこ焼き買ったりと皆様々なものを買っていた。

「億泰のたこ焼き、美味しそう」
「食べるかー?」
「食べる食べる!」
「じゃあ綿菓子くれよ」
「うん!」

お互い買った食べ物の交換をする、仗助と億泰。本人たちは自覚がないが回りから見たら良いカップルである。

「あのふたりって、恋人みたいだね」
「そうね。お似合いよねー。……康一君、かき氷あげるわ!あーんして」
「えっ」
「あーんして」
「…はい」

ほらほらとスプーンでかき氷をすくって口に近づける。最初こそ断っていた康一だが、しぶしぶ口をあける。

「美味しい?」
「うん。ありがとう。由花子さん」
「あ、億泰!金魚すくいあるよ!どっちが多く捕まえられるか勝負しよ!」
「望むところだ!」

金魚すくいの屋台を見つけて、早足で行く仗助たち。因みに康一と由花子はまだイチャイチャしていたりする。仗助たちは屋台のおじさんにお金をわたし、ポイを貰う。
…結果、両方二匹という同点で二人ともポイが破けた。

「同点かー」
「もう少しで俺が勝てたのに…って仗助、袖濡れてるぜ」
「あれ?ホントだ」

白熱していたのか仗助は袖が濡れていたのに気が付かなかった。

「まぁ、同点だったけど億泰!リンゴあめ買って!」
「はぁ!?何で俺が!」
「ウソウソ!私もこれ以上食べたら太っちゃう!」

ケタケタと笑いながら、仗助はウィンクを飛ばす。

「別に太ってねぇじゃん」
「女の子は気にするのっ!」

さぁ次はどこに行こっかな~!と、いつもよりはしゃいでいる仗助を見て可愛いと思った億泰だったがいつの間にか輪投げの屋台の前にいる仗助を追いかけた。
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