joy!

ふぅ…とため息をつき団扇をパタパタとあおぐ。
人がだんだんと増え、目が回りそうになるほど増えた。すると

「あー!ジョルノじゃないの」
「トリッシュ!…と、皆さんご一緒で」
「ジョルノが浴衣きてるー!」
「似合ってるな」
「可愛いですよジョルノ」

薄いピンクに赤い帯を巻いているトリッシュに出会った。そしていつも一緒のミスタやナランチャ、フーゴも一緒に。

「お友達?」
「Buon giorno!ジョルノのお姉さん!ジョルノのお友達のトリッシュです」
「ジョルノがお世話になります」

一言二言会話を交わしたあとにジョルノは一緒に行って良いかをジョナサンに聞いた。

「もちろん。お友達と仲良くするんだよ~」
「はい」
「ナンパにあったら右ストレート打ち込むんだぞ!」
「たぶんないので大丈夫ですよ。ディオさん」
「…ジョジョ。俺はいつから育て方を間違えたんだろう…」
「皆が勘違いするからその言い方はやめようか」

行ってきまーすとトリッシュたちと一緒にその場を離れていくジョルノ。…落ち込んでいるディオを置いて。
大分暗くなり花火師たちが少し騒がしくなり、人も来たときの倍になった。屋台からの良い匂いも沢山漂い、威勢の良い声が聞こえてくる。

「人が増えたね」
「そうだな。はぐれないようにしなきゃな」

そういってディオは左手を出し、少し乱暴にジョナサンの手を掴んだ。それに少し驚いた様子。

「ディオ?」
「はぐれるなよ?ジョジョ」
「うん…ディオが握っててくれてるから大丈夫」

さっきまでは先を歩いていたディオだったが、手を握った時からは少し歩みを遅くしてジョナサンに合わせた。

(なんだかんだ言って優しいんだから…)

少しハニカミながら真横にいる恋人にジョナサンはそう思った。
そんなカップルを見て周りからは『お似合いねぇ』とか『素敵~』と言う歓声が上がる。

「もうすぐ花火始まるね」
「…そうだな」
「座って見れたら良いけど…」

大丈夫かなーと心配しながら団扇をあおぐ。
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