joy!2
ショートパンツこそ最も機能性に優れた大変素晴らしいボトムスである。それは現代における最高の発明。長いパンツは裾がくすぐったい気がするし、ミニスカートはパンツが見える。幼い頃から超絶キュートな破天荒なお転婆ガールだった私はよく姉さんやその彼氏にドヤされた。「女の子がパンツを見せながら歩くな」と。好きで見せてる訳じゃあなくて、動いたら捲れるから!私は悪くないのよ!ミニスカートに働く物理法則のせい!
それ以来私はショートパンツに恋をしている。後にも先にもショートパンツを履き続けることだろう。
「邪魔ー!」
そして何よりも私はロングスカートが大嫌いだった!
だから私はロングスカートを履かない。
私は自慢の美脚を世間に知らしめるべくショートパンツを履いていると言っても過言ではない。胸にも自信があるし顔にも自信がある。全身自信の塊!クレオパトラが泣いて許しを乞うレベルの!言いすぎたけど。それをロングスカートで隠すなんて勿体ない!
とにかく私はロングスカートとだけはお友達になれない。
そんな私がなぜ……ロングスカートを履いているのか。それはこの立食パーティーにあった。
私がその会食の報せを受けたのは昨日の話である。大学の集まりでということだが何だこのパーティーは。何もかもが厳かすぎる。偉ぶったつもりなの?確かにこの大学は有名な大学らしい。
「才能はあるけどお転婆すぎて全てが台無し」という称号を例のゲロ以下から受けているほどの私が、ここに入学できたのもその台無しと呼ばれるお転婆ぶりを遥かに凌駕する天才的な才能の故だろう。ていうか失礼すぎるでしょ。
コツコツとヒールの音をさせて廊下を歩くが慣れない。ふくらはぎ吊りそう。こんなにロングで見えないならスニーカーでいいじゃん。
このドレスを選んだのは姉さんだけれど姉さんはありとあらゆるプリンセスと横に並んでいてもおかしくないほどの美しい気品で私とおそろいの色の違うドレスを着こなした。どうしてこんなにも差があるのか。
そして私がロングスカートを嫌いな理由のもうひとつ。このフワフワ!ビラビラ!バッサバサ!どこをとっても煩わしい!そして何よりもそれのせいで!
「っいやー!」
私はロングスカートの裾を踏んづけて転ぶのだ!
これが私とロングスカートが永遠にお友達に慣れない理由である。天真爛漫な私にロングスカートは動きにくい。ショートパンツとスニーカーで今すぐ遊びに行きたい。でも裾が私の歩く道を邪魔してくるのよ。
しかし今日はそんなヘマをもうしない。今のはあくまでも予行練習。
これからが本番。私には失敗できない理由が有る。何故なら。
「ジョジョ。そんな所で何座り込んでるんだ」
「シーザー!べ、別に!?ちょっとコインが落ちたから拾っただけだし!?」
このスケコマシも来ているのだ!
大学の立食パーティーは姉さんたちも来ているが学年が違うため私は孤独に挑んでいた。勿論友達はいるしひとしきり喋った。ひとしきり食べた。そして疲れた。その場から少し離れるべく会場からそっと出て廊下を歩いている時にコケたのだ。誰も見てなくてよかったと思っていたのに後ろからそいつがやってきた!
パリッとしたシャツとスーツをここぞとばかりに着こなして、磨きたての革靴をカツカツ鳴らす。なんていうイタリア男!ファッション雑誌の中から出てきたよう!
そう言えばさっき友達と話してる時にシーザーを見かけたけれどビックリするほど女の子に囲まれていたのである。それが悔しくて外に出たのもある。恥ずかしながら嫉妬に塗れたのである。いいじゃん。いつも遊びに来てくれる親友のような男が私という女がいながらほかの女の子に現を抜かすなんて。たとえお天道様が許しても私は許さないんだから。
「全く。ほら、立てよ」
そう言って手を差し伸べてくるシーザーの手を取って私はゆっくり立ち上がり、ポンポンとホコリを払う。「汚さないように気をつけて扱ってね」という言葉がとてもとてもプレッシャーなのだ。
「おほんおほん。シーザーちゃんどうもありがとう」
嘘くさい咳払いとテンプレートのような言葉と共に抱きつきたかったのだけれど、ロングスカートとピンヒールはそれを許さない。早く解放してほしい。パーティーは好きだけれど堅苦しいのはいや。もっとコーラを頭から被るような飲んで騒いでハイタッチしてみんなで夜まで踊り明かすようなパーティーがしたいの!
「今日はいつもと違うな」
「似合ってるでしょ?」
「ああ、凄く」
にこやかに微笑むイケメンは眩しい。ああもうロングスカートじゃなかったら!ピンヒールじゃなかったら!今すぐにでもシーザーを抱きしめていたと言うのに!
ああロングスカート、お前はいつも私を邪魔する!ちょんぎってやりたい!
「こんな所で何してるんだ?もうすぐ挨拶が始まるから行くぞ」
「みんなと話してたら疲れちゃったの!だから休憩よ」
「いつも食い意地張ってるお前がいないから珍しいと思ったんだ」
「んまー!失礼!いつも食い意地張ってるわけじゃないし!あともう今日は食べたの!」
「やっぱり張ってるじゃあないか」
それはご飯が美味しいから悪いのであって私は悪くない。断じて!
それ以来私はショートパンツに恋をしている。後にも先にもショートパンツを履き続けることだろう。
「邪魔ー!」
そして何よりも私はロングスカートが大嫌いだった!
だから私はロングスカートを履かない。
私は自慢の美脚を世間に知らしめるべくショートパンツを履いていると言っても過言ではない。胸にも自信があるし顔にも自信がある。全身自信の塊!クレオパトラが泣いて許しを乞うレベルの!言いすぎたけど。それをロングスカートで隠すなんて勿体ない!
とにかく私はロングスカートとだけはお友達になれない。
そんな私がなぜ……ロングスカートを履いているのか。それはこの立食パーティーにあった。
私がその会食の報せを受けたのは昨日の話である。大学の集まりでということだが何だこのパーティーは。何もかもが厳かすぎる。偉ぶったつもりなの?確かにこの大学は有名な大学らしい。
「才能はあるけどお転婆すぎて全てが台無し」という称号を例のゲロ以下から受けているほどの私が、ここに入学できたのもその台無しと呼ばれるお転婆ぶりを遥かに凌駕する天才的な才能の故だろう。ていうか失礼すぎるでしょ。
コツコツとヒールの音をさせて廊下を歩くが慣れない。ふくらはぎ吊りそう。こんなにロングで見えないならスニーカーでいいじゃん。
このドレスを選んだのは姉さんだけれど姉さんはありとあらゆるプリンセスと横に並んでいてもおかしくないほどの美しい気品で私とおそろいの色の違うドレスを着こなした。どうしてこんなにも差があるのか。
そして私がロングスカートを嫌いな理由のもうひとつ。このフワフワ!ビラビラ!バッサバサ!どこをとっても煩わしい!そして何よりもそれのせいで!
「っいやー!」
私はロングスカートの裾を踏んづけて転ぶのだ!
これが私とロングスカートが永遠にお友達に慣れない理由である。天真爛漫な私にロングスカートは動きにくい。ショートパンツとスニーカーで今すぐ遊びに行きたい。でも裾が私の歩く道を邪魔してくるのよ。
しかし今日はそんなヘマをもうしない。今のはあくまでも予行練習。
これからが本番。私には失敗できない理由が有る。何故なら。
「ジョジョ。そんな所で何座り込んでるんだ」
「シーザー!べ、別に!?ちょっとコインが落ちたから拾っただけだし!?」
このスケコマシも来ているのだ!
大学の立食パーティーは姉さんたちも来ているが学年が違うため私は孤独に挑んでいた。勿論友達はいるしひとしきり喋った。ひとしきり食べた。そして疲れた。その場から少し離れるべく会場からそっと出て廊下を歩いている時にコケたのだ。誰も見てなくてよかったと思っていたのに後ろからそいつがやってきた!
パリッとしたシャツとスーツをここぞとばかりに着こなして、磨きたての革靴をカツカツ鳴らす。なんていうイタリア男!ファッション雑誌の中から出てきたよう!
そう言えばさっき友達と話してる時にシーザーを見かけたけれどビックリするほど女の子に囲まれていたのである。それが悔しくて外に出たのもある。恥ずかしながら嫉妬に塗れたのである。いいじゃん。いつも遊びに来てくれる親友のような男が私という女がいながらほかの女の子に現を抜かすなんて。たとえお天道様が許しても私は許さないんだから。
「全く。ほら、立てよ」
そう言って手を差し伸べてくるシーザーの手を取って私はゆっくり立ち上がり、ポンポンとホコリを払う。「汚さないように気をつけて扱ってね」という言葉がとてもとてもプレッシャーなのだ。
「おほんおほん。シーザーちゃんどうもありがとう」
嘘くさい咳払いとテンプレートのような言葉と共に抱きつきたかったのだけれど、ロングスカートとピンヒールはそれを許さない。早く解放してほしい。パーティーは好きだけれど堅苦しいのはいや。もっとコーラを頭から被るような飲んで騒いでハイタッチしてみんなで夜まで踊り明かすようなパーティーがしたいの!
「今日はいつもと違うな」
「似合ってるでしょ?」
「ああ、凄く」
にこやかに微笑むイケメンは眩しい。ああもうロングスカートじゃなかったら!ピンヒールじゃなかったら!今すぐにでもシーザーを抱きしめていたと言うのに!
ああロングスカート、お前はいつも私を邪魔する!ちょんぎってやりたい!
「こんな所で何してるんだ?もうすぐ挨拶が始まるから行くぞ」
「みんなと話してたら疲れちゃったの!だから休憩よ」
「いつも食い意地張ってるお前がいないから珍しいと思ったんだ」
「んまー!失礼!いつも食い意地張ってるわけじゃないし!あともう今日は食べたの!」
「やっぱり張ってるじゃあないか」
それはご飯が美味しいから悪いのであって私は悪くない。断じて!