joy!2

「ところでイルーゾォ。ケーキはお好きですか?」
「は、はぁ?ケーキ?」
「姉が日曜日にケーキを焼くんです。なんでも練習するとかしないとかで。ほかの人がどうしても外せない用事があって。あとメローネは……」
「言いたいことは分かる」

あいつを呼んだら突如うるさくなると言いたいのだろう。分かるぞ。

「貴方しか頼る人がいないんです」
「うっ……」

その言い方は反則だろう。語弊があるだろう!そういう断りにくい言い方はやめろ!

「大丈夫です。ジョセフは料理が上手いとは言い難いですがジョナサンがついてるので味は保証します」
「……お前は、作らないのか?」

……いやいや、何聞いてるんだ俺は。別に作っていようが作っていまいが関係ないじゃないか。それが判断基準になるわけないだろう。

「僕は食べる専門なので。……でも、そうですね。貴方が期待してくれるのなら少し頑張ってみましょうか」
「え」
「あ、学校着きましたね。じゃあ日曜日は空けておいてくださいよ」
「お、おう……」

なんでそういう勘違いしそうなこと言うんだ!そういう気になることを残して……。はいともいいえとも言う前に決めるな!行くけど!
行くけど!

「おはよう」
「う、わ!?びっくりさせんな!」

ひょっこりと後ろからリーダーが覗き込んできた。びっくりした。普通にびっくりした。

「そんなに驚くとは思わなかった、すまん。……なんか機嫌がいいな」
「そんなことはない!断じてないぞ!」

……少なくともこいつらにだけはバレたくない!せっかくのチャンスを逃すようなことは出来ない!俺は何としてでもこのチャンスを掴んでみせる。
……初めから終わりまで見られていたなら、申し訳ないがリーダーには黙っていてもらおう。

「あら、ジョルノ何見てるの?……美味しいケーキの作り方?」
「ええ」
「あーお姉さんが作るんだったっけ?ジョルノも作るの?」
「はい。期待されてしまったので」
「期待?お姉さん達からとか?」
「ふふふ」
20/25ページ
スキ