花承と海ッ！

「海きれいだねー」
「そうだな。これぐらいきれいなら魚とかも泳いでそうだ」
「そうかもね」

いつもより承太郎が生き生きしているのを見て花京院も嬉しくなる。

「ほんとに承太郎は海が好きなんだね。水族館に行った時も……すごく楽しそうだったよ」
「そ、そうか？」
「うん」

少し照れながら承太郎はつばを深くかぶっている。
海を見ると小さな魚が数匹泳いでいる。水面がゆらゆらと動いて太陽の光を反射している。承太郎は海が好きだ。そんな綺麗な海を見ているのは心地がいい。それに今、花京院が隣にいる。それも嬉しさを増やすのだった。

｢なんかいいな。こういうの｣
｢そ、そう？｣
｢あぁ。落ち着く……｣
｢そっか……な、なら良かったよ｣

正直花京院は何か話さないとなぁと不安だったのだが承太郎の言葉を聞いてちょっと安心したようだ。

｢花京院もいるしな｣
｢えっ！？｣
｢こ、こうやって誰かと海を見てるっていうのが初めてだから……だぜ！その、姉貴達とはよく見たりしたけどな。結構昔のことだし｣
｢そ、そうなんだー……｣

ドキッとした花京院は顔が熱いのは日差しのせいだ！と思い込むようにした。