恋する動詞

7想う(花→承)

最近、承太郎の事しか考えられない。何故かって?好きだからさ。好きな人の事を想うのは普通だろ?承太郎は僕をどう思っているのだろう。
ふと、歩いていて、見かけた花壇。

「パンジーか……花言葉は……私を想ってください、だったかな」

綺麗に咲いているパンジーに目を奪われる。私を想ってくださいなんて、今の僕にそっくりなんだな。
ぼーっとパンジーを見ていて時間が刻々と過ぎていったらしい。後ろにいつの間にか……

「何見てるんだ?」
「じょっ!承太郎!!」
「そんな驚くなよ、帰るぞ」

承太郎がいた。承太郎は僕を見下ろしている。ビックリしちゃったけれど、このドキドキは違う。ビックリしたからじゃあない。これは……

「私を想って……」
「ん?なんか言ったか?」
「いっ、いや!何にもっ」
「ならいいが……」

きっとまだ気がついていない。承太郎、僕は君を想っているのに。まだ、伝わらない。でもいつか。伝われば……なんて考えてみたりしちゃって。
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