恋する動詞

暖かな手のひらをギュッと握りしめる。するとジョルノの体温が伝わってくる。あぁ、そうか、ジョルノは生きてるから……。
ひんやりした手のひらに握り締められたので、僕もギュッと握り返す。なにも感じられない冷たい肌。やっぱりブチャラティ、あなたは……死んでる。

「ジョルノの手は温かいな」
「貴方の手は冷たいですね……」

ブチャラティがそう言うと少し悲しげにジョルノが言う。ひんやりとした腕に脈はない。あの、心臓の、脈の、とくんとくんという音もしない。

「やっぱりあのとき」
「ジョルノ、それ以上は駄目だ」

ジョルノの言葉を遮ってブチャラティが言う。冷たい手がまた、ジョルノの手を強く握りしめる。暖かさを確認するように。

「……ごめんなさい」
「謝ることはないさ」

死んだのを確認するかのように、冷たい手をそっと握りしめて、ジョルノは1つ涙を落とした。
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